人 類 の 至 宝・ オ イ ラ ー の 公 式
虚 数・複 素 数 の 世 界  ド・モアブルの定理


オイラーの公式

自然界は波や振動であふれています。

電気、電波そして物質を構成する電子や素粒子等々、全て波の性質を持っているのです。

自然界は、波や振動が支配していると言っても過言ではありません。

波や振動現象を調べるためには、三角関数が必要不可欠です。

オイラーの公式は、
三角関数と指数関数が、虚数・複素数を通じて表裏一体の関係にあることを示しています。

虚数を駆使する
オイラーの公式を使用すれば、波動・振動現象に関して明確な答えを出すことができるのです。


オイラーの公式 1740年頃発見

実数の世界では全くの無関係のように思われていた指数関数三角関数が、複素数の世界では親戚どころか兄弟であったことを意味する重要な式であり、ファインマンはこれを「オイラーの宝石」と表現しました。

自然対数の底 e ネイピアの数 e = 2.718281828... を底とする指数関数、

円周率 π、

虚数単位 i, (i 2 = -1)

全くバラバラの分野で扱われ、何の関係性も持ち得ないと思われていた3つの数が、実際には結び付けられるどころか、非常にシンプルな解を導き出すという大変重要な公式です。

数学者たちはこの予想外の調和・連関を「人類の至宝」「人類史に残る不朽の名作」と表現しています。

オイラーの公式は,微分方程式,フーリェ級数論など実解析,そして電気工学や物理学の分野において非常に重要です。


右辺の cos, sin はラジアンを単位とする正弦、余弦関数です。

右辺については,三角関数 cos x と sin x と複素数を既知とすれば, cos x を実部,sin x を虚部とする複素数として定義されます。

指数関数,正弦関数,余弦関数のベキ級数展開(マクローリン展開)


テイラー展開


指数関数のベキ級数展開において,xix で置き換えて, i 2 = -1 を用いて実数部分と虚数部分に分けると,


虚数ベキ

オイラーの公式 eix = cos x + i sin x が証明されました.

関西学院大学理工学部数理科学科 示野信一教授サイトより)


「e」の最大の特徴

「e」を底とする指数関数は,それ自身の導関数と等しくなります。


自然対数の底「e」のことを「ネイピアの数」といいます。

自然対数の底「e」は、数学者オイラーが対数関数
の導関数を求める過程で発見しました。




e=2.7182818284590452353602874・・・・・

eの図形的意味

「超」入門微分積分より)


スイス生まれの大数学者レオンハルト・オイラー(Leonhard Euler, 11707415日 - 1783918は、ドイツとロシア(現在のソビエト連邦)の2つの学士院で活躍した人です。

数学、天文学、物理学、植物学、化学等その業績は、多方面にわたっています。

数学一家として有名なベルヌーイ
(Bemoulli)家の人たちと同じ、スイスのバーゼルに生まれました。

バーゼル大学に進んで、神学を勉強しましたが、ベルヌーイ家の人々と知り合ったため、数学を勉強するようになった、といわれています。

ロシアのペテルスブルグ学士院において、26歳の若さで数学部の重要な地位につきました。

1740年に、プロイセンのフリードリッヒ大王の招きによって、ベルリン科学アカデミーの数学部長になり、そこで20年以上も研究をしていました。

ロシアのエカテリーナ女帝に招かれて、
1766年からペテルスブルグで研究を続けました。

1735年、病気のため右の目が見えなくなっていましたが、この時は左の目も見えなくなってしまったのです。

しかし、その後も数学から離れることなく、
1783年に77歳ロシアのサンクトペテルブルクでこの世を去るまで、数学の研究を続けたそうです。

彼は「解析学の権化」といわれたように、解析幾何学や微積分学の発展につくし、代数学、幾何学、整数論などにも大きな業績を残しました。

特に、数の記号
sinθ, cosθ, tanθなどを考え出したり、微分学の一種である変分学をはじめてつくり出したりしました。

オイラーは、
7橋問題の不能なことを証明した人としても有名です。

200年前のことですが、ドイツのケーニヒスベルグ町のプレーゲル川の中に島がありました。

この島に
7つの橋がかかっていたのですが「同じ橋を2度渡らないで、全部の橋を渡ることができるか」というのが7橋問題です。


ド・モアブルの定理

複素数の偏角表現


偏角の極形式表現




三角関数を使うとかけ算が意味を持ってくるのです。

 z1×z2=r(cosα+sinα)×s(cosβ+sinβ)

     =rs((cosα・cosβ−sinα・sinβ)+(cosα・sinβ+sinα・cosβ))

加法定理を使います。


三角関数の加法定理





かけ算は角度のたし算になります。


極形式を使えば積は簡単に表現できます。三角関数の加法定理より





複素数の2乗をすると、絶対値が2乗、偏角が2倍に、
3乗なら、3乗と3倍になります。




これをド・モアブルの定理といいます。

「絶対値は掛け算に、偏角は足し算に」なります。

綺麗な法則です。



フランスの数学者アブラーム・ド・モアブル(AbrahamdeMoivre, 1667〜1754)は、シャンパンで有名なシャンパーニュに生まれました。

プロテスタントの両親のもとに生まれ、ルイ14世がカトリックで国教を統一しようとする迫害にあって、21歳のときにイングランドに逃れました。

イギリスでは、ニュートンなどとも親交ができ、優れた数学者となったが、教授職につけなかった。

そのため、賭博家や投機家のアドバイスをして生計をたてていました。

その目的で書いた本、1718年の『偶然論』と1725年の『生命年金』が世の中に大きな形響を与えることとなりました。

前者は、「確率論の近代的な最初の書物」と言われるほどの偉業でした。

この本の中で、ド・モアブルは、コイン投げの確率の描く曲線を特定したのです。

確率論の標準曲線の研究や、世界中の生命保険会杜で使われている余命表(生命表)、死亡率などの研究で、多くの業績を残しました。

日本でも年金の掛金の計算や、生命険料の算出に欠かせないものとして使用されています。

数学者は若い時に重要な定理を発見する場合が多いのですが、ド・モアブルがこの定理を発見した時は、数学者としてはきわめて遅い
67歳の時でした。





オイラーの公式は、複素平面に於ける半径1の円(単位円)の方程式が、なんと、「自然対数の底e」と角度を虚数の指数とした式で表せるというシンプルなものです。

この式は、指数を複素数に拡張したもので、指数演算で複素記号を正負符号と同様に扱い、微分・積分の公式に適用できることが証明されています。

複素数、自然対数の底、複素指数関数、複素空間の円の方程式、三角関数、これらが一つに融合されたこの公式で、三角関数の加法定理、振動、波動、微分が、如何に単純になり、理解が容易になることでしょう。

単振動、正弦波の本質、波とは何なのか?

ということの理解を助けてくれるのです。

この式の美しさは、哲学的な美しさ、数学そのものの美しさです。


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複素数論 中村 八束 (信州大学教授)著 (http://markun.cs.shinshu-u.ac.jp/learn/index-j.html) 

二乗して−1になる数は? 昔、このような数は存在しないと思われていたのですが、人類は虚数、即ち複素数を発明しました(虚数単位i)。

虚数はまさに虚なる数ですが、実在すると考えると数学は完全性を獲得します。

例えば解に虚数も許すと、n次の方程式はいつでも解をもつことがいえます。

数学の多くの分野は複素数の存在を前提として成り立っています(行列論、微分方程式論、調和解析学、関数解析学、等々)。

また工学や物理学でも複素数は重要な地位を占めます。

例えば電気工学や電子工学では、電気の波を複素数で表現します(その分野では虚数単位をiの代わりにjで表す)。

更にもっと一般な波動の概念は光学、量子力学、機械工学、信号理論など様々な分野に現われますが、それらも複素数を用いて表現されます。

情報工学の分野でも画像の圧縮方法の理論や音声認識のためのスペクトル理論の中にも複素数が頻繁に登場します。



複素数の不思議 (オイラーの公式 東北工業大学 情報通信工学科 中川研究室サイトより)

1 虚数も数   i2=−1     ( √(-1)×√(-1)≠√(-1)×(-1) )

2 複素数の足し算 力の合成・平行四辺形 (ガウス平面)

 z1+z2=(a+b)+(c+d)=(a+c)+(b+d)  

縦軸を虚数に、横軸を実数、足し算は力の合成の平行四辺形になります。

3 複素数のかけ算

 z1×z2=(a+b)×(c+d)=(ac−bd)+(ad+cb)

1 をかけてみます。

 z1×=(a+b=−b+a

90度回転しています。

i をかけると回転し、実数をかけると拡大します。

回転しているものは、角度で表せます。

角度を使って複素数を表すには三角関数を使うのです。

4 複素数の偏角表現   a+b i=r(cosα+i sinα)

三角関数を使うとかけ算が意味を持ってきます。

偏角を使うことでわかりやすくなります。

 z1×z2=r(cosα+sinα)×s(cosβ+sinβ)

     =rs((cosα・cosβ−sinα・sinβ)+ (cosα・sinβ+sinα・cosβ))

加法定理を使うことで簡単になります。


5 三角関数

図を見ただけで次の加法定理が理解できます。

cos(α+β)=cosα・cosβ−sinα・sinβ

sin(α+β)=cosα・sinβ+sinα・cosβ

前のかけ算は角度のたし算になります。


6 ド・モアブルの定理

 r(cosα+sinα)×s(cosβ+sinβ)=rs(cos(α+β)+sin(α+β))

実にシンプルになりました。

計算を簡単にするために、r=s=1とします。

さらに、β=αとすると、累乗の公式が見つかります。

 (cosα+sinα)2=(cosα+sinα)×(cosα+sinα)=cos(2α)+sin(2α)

同様に

 (cosα+sinα)3=cos(3α)+sin(3α)

ということは、

 (cosα±sinα)n=cos(nα)±sin(nα)

これを
ド・モアブルの定理といいます。

7 オイラーの方法

オイラーは、このド・モアブルの定理、

 cos(nα)+sin(nα)=(cosα+sinα)n

 cos(nα)−sin(nα)=(cosα−sinα)n

から両式を加えて、

  cos(nα)=((cosα+sinα)n+(cosα−sinα)n)/2

 sin(nα)=((cosα+sinα)n−(cosα−sinα)n)/2

を導きます。

オイラーはこの式と自然対数の定義を結びつけるのです。

オイラーのマジックは、極限を用いることです。

nα=χ(χは一定数)とします。

そうしてnを無限大にするのです。

当然αは無限に小さくなります。

すると、三角関数の性質から、

 lim[n→∞]cos(χ/n)=1   lim[n→∞]sin(χ/n)=χ/n

これを使うと先ほどの式は、

 cos(χ)=((cos(χ/n)+sin(χ/n))n+(cos(χ/n)−sin(χ/n))n)/2

     =((1+iχ/n)n+(1−iχ/n)n)/2   ・・・(1)

 i sinχ=((1+iχ/n)n−(1−iχ/n)n)/2   ・・・(2)


8  自然対数の虚数乗

 (1+iχ/n)n は自然対数の定義と似ています。 

が入っているところが違います。

発散すれば意味がありません。

ためしにχ=1として、n=2、4を計算すれば実部と虚部に分かれます。

 (1+i/2)2=0.75+

 (1+i/4)4=0.62890625+0.9375

二項定理を利用すれば、計算が簡単になります。

  は後からχへ代入すれば良いのです。

 (1+χ)n=?[k=0→n]n!/((n-k)!k!)・χk     (4!=4・3・2・1) 

だから、n=8、χ=iχ/8とすると、

 (1+iχ/8)8=?[k=0→8]8!/((8-k)!k!)・(iχ)k

χ=1を代入すると、

 (1+iχ/8)8=0.579483092+0.89233017

という値になります。nをどんどん大きくしていくと、

n= 2   4      6       8      10      12
a=0.75  0.62890625  0.594885974  0.579483092  0.57079045  0.565229899
b= 1  0.9375    0.908179012  0.89233017   0.88250801  0.875845995

どうやら、一定の値になりそうです。

そうすると、lim[n→∞](1+iχ/n)nが定義できそうです。

 lim[n→∞](1+χ/n)n=eχ だから   

 lim[n→∞](1+iχ/n)n=eiχ とします。

さっきの式(1)を置き換えると、

  cos(χ)=((1+iχ/n)n+(1−iχ/n)n)/2=(eiχ+e-iχ)/2

  sin(χ)=((1+iχ/n)n−(1−iχ/n)n)/2=(eiχ−e−iχ)/2

となり、両式を加えると、

iχ=cosχ+i sinχ

これがオイラーの公式です。

lim[n→∞](1+i/n)n=e の「正確な」値は、

 e=cos(1)+ sin(1)=0.540302306+0.841470985

となります。

9  i の i 乗の値は?

 この公式に、χ=πを代入すると、

 eπ=−1   となります。

 eπ=lim[n→170](1+π/n)n=-1.0294485+0.0003690

 さて、ここで i を求めてみましょう。

 eχ=cosχ+sinχ  にχ=π/2を代入すると、

 e(π/2)=cos(π/2)+sin(π/2)=

 両辺を 乗すると、

 e(π/2)=e(−π/2)=0.2078795763…=i

 結局、無限級数を使えば、 乗も定義できるのです。

さらに三角関数にも を代入できます。

 eχ=cosχ+sinχ  にχ= を代入します。

 ei×i=e-1=1/e=cos sin

 sinχとcosχをテーラー展開、または二項定理による展開をすると、

 cosχ=1−χ2/2+χ4/4!−χ6/6!+・・・

 sinχ=χ−χ3/3!+χ5/5!−χ7/7!+・・・

χ= を代入すると、

 cos sin =(1+1/2+1/4!+1/6!…)−(1+1/3!+1/5!+1/7!…)=0.367857143≒1/e=0.367879441

10  指数表現

複素数が指数で表現できます。

指数ですから、eα×eβ=e(α+β) と簡単に計算できます。

ガウス平面で見るといかにも当然というような感じがします。

しかも、eχは微分しても変わりませんから、微分や積分が簡単にできるということが便利です。

ここから複素数の関数の世界が広がってきます。






加法定理: 最も重要な公式で、他の公式はすべてこれから導けます




出所:FNの高校物理、数学、「三角関数の公式(図解理解)」





一般に積分の計算は難しくて手間がかかりますが、複素関数をうまく使うと定積分の計算がとても簡単になります。


J K は別々に求めようとしてもうまくいきません。しかし、2つ合わせて同時に考えればうまくいくのです。
J K の違いはコサインとサインの違いだけ、オイラーの公式を利用して組み合わせれば指数関数が作れます。


X の実数を複素数まで拡大します。複素数らしく を使用します。
 

分母を因数分解しておくと極が一目でわかります。極には留数がついています。

それぞれの極に、それぞれの留数があります。
極は2次方程式の解だからが極になります。

と置くとと因数分解されます。


z=α における留数は (z−α)f(z)  z=α を代入して得られる値です。

代入するだけですから簡単です。

積分の難しさに比べて留数は著しく易しいのです。

留数 
R は
 

コーシーの留数定理によれば、は留数 R 2πi 倍に等しい。


積分というとても難しいはずの計算が
z=α を代入するだけという易しい計算に置き換えられることになります。


実部・虚部を取り、
J Kの 積分計算結果です。

計算結果に e が入ってくるのは、オイラーの公式を知らない人には理解することが困難です。

関数とはなんだろう 山根英司著 ブルーバックス刊より








テイラー展開 マクローリン展開
次 近 似(未 来 の 様 相)


次近似(未来の様相

昨日まで健康を誇っていた友人が、突然、交通事故で命を失ったり、心臓発作でこの世を去ったりすることがあります。

大震災の巨大津波で昨日まで元気で生活していた人達が、一瞬でこの世からあの世に旅立ってしまいました。

明日は誰の番かと恐ろしくなります。「一寸先は闇」ということになります。

しかし、普通の場合は突如として明日があるわけではなく、昨日・今日の連続として明日があるのです。

明日がどういう日であるかは、おおよその見当が付けられます。

私達は、非常に多くのことがらについて過去の経験と現在の状態から、未来の様相を予測して生活しています。

過去から現在に至るまでのデータがわかっていれば、未来のことも大体の見当がつきます。

過去の傾向を尊重しながら、未来のほうへ引き伸ばすことができるのです。

非常に近い未来のことならば、大きく外れることなく予測できるでしょう。

厳密にいえば、明日はまったく保証されていないにもかかわらず、多くの人たちは安心して眠ることができるのです。




テイラー級数(Taylor series)の魔法

現在の状態f
(a)から、f´(a)第1次近似,、f"(a)第2次近似、第3次近似、・・・第n次近似と未来の状態を予測する方法です。


テイラー級数は、aの位置の情報だけで、他の位置の値がいくらでも正確に計算できるのです。

一寸先は闇ではないのです。

現在の状態がわかりさえすれば、明日のことが正確に予測できるということです。

見ることができないコンクリート壁の向こう側が、詳しく観察できる魔法のような方法です。


テイラー(Brook Taylor 1685-1731)が、1715年に「増分法」で初めてテイラー展開を論じました。

その展開式は,
0を展開の中心とするマクローリン展開といわれます。

この展開は、
マクローリン(Colin Maclaurin 1698-1746)が発見したのではありません。

一般的な剰余項の公式(テイラーの定理)を扱ったのはラグランジュ
(J.L.Lagrange 1736-1813)です。

テイラー展開という名をつけたのはオイラー
(L.Euler 1707-1783,「微分法」1755年)です。
                   
「数学100の発見,日本評論社」のテイラー展開(一松信執筆)についての解説より。



マクローリン級数(Maclaurin Series)

テイラー級数で a=0 としたものがマクローリン級数です。

aの位置における種々の情報を利用して、任意の値をいくらでも計算するための魔法をテイラー級数が与えてくれます。

aの位置をゼロに選ぶのが有利な場合が少なくありません。

多くの関数で
a=0にするとf(0), f''(0), f"(0)・・・などは求めやすいのです。












微分学の発達があり、マクローリン展開によって関数の性質や値を調べることが可能になりました。

微分方法が分からなければ係数は求められません。

マクローリン展開を使う場合には x の範囲に注意しなければなりません。



階乗

10の階乗は、1x2x3x4x5x6x7x8x9x10=362,8800となり「10!」と書きます。

テイラー級数で
が大きい項は、非常に小さい値になります。 

特に
(x-a)が1より小さければ、nが増すにつれて分子も小さくなっていきます。

(x-a)が1より小さければ第3-4次近似ぐらいで実用上十分な精度で正しい値を推算できると考えられます

(x-a)n乗よりはn!のほうが、急激に大きくなる数です。

たとえば、
x-a=10としてみましょう。分子が10の1乗、102乗、103乗・・・・と進みます。

初めのころは、分母のほうが、
1x1、1x2、1x2x3、・・・・と進むので、分子のほうが大きくなります。

11項目を過ぎても分子のほうは相変わらす10倍ずつ増加しますが、分母のほうは急激に増加します。

すぐに分母が分子を追い越して項の値はどんどん小さくなって、完全に無視できるようになります。


n                                                  n!(階乗)
01=...................................................................1 (   1)
02=...................................................................2 (   2)
03=...................................................................6 (   3)
04=..................................................................24 (   4)
05=.................................................................120 (   5)
06=.................................................................720 (   6)
07=................................................................5040 (   7)
08=..............................................................4,0320 (   8)
09=.............................................................36,2880 (   9)
10=............................................................362,8800 (  10)
11=...........................................................3991,6800 (  11)
12=.........................................................4,7900,1600 (  12)
13=........................................................62,2702,0800 (  13)
14=.......................................................871,7829,1200 (  14)
15=....................................................1,3076,7436,8000 (  15)
16=...................................................20,9227,8988,8000 (  16)
17=..................................................355,6874,2809,6000 (  17)
18=.................................................6402,3737,0572,8000 (  18)
19=..............................................12,1645,1004,0883,2000 (  19)
20=.............................................243,2902,0081,7664,0000 (  20)
21=............................................5109,0942,1717,0944,0000 (  21)
22=.........................................11,2400,0727,7776,0768,0000 (  22)
23=........................................258,5201,6738,8849,7664,0000 (  23)
24=.......................................6204,4840,1733,2394,3936,0000 (  24)
25=....................................15,5112,1004,3330,9859,8400,0000 (  25)
26=...................................403,2914,6112,6605,6355,8400,0000 (  26)
27=................................1,0888,8694,5041,8352,1607,6800,0000 (  27)
28=...............................30,4888,3446,1171,3860,5015,0400,0000 (  28)
29=..............................884,1761,9937,3970,1954,5436,1600,0000 (  29)
30=...........................2,6525,2859,8121,9105,8636,3084,8000,0000 (  30)
31=..........................82,2283,8654,1779,2281,7725,5628,8000,0000 (  31)
32=........................2631,3083,6933,6935,3016,7218,0121,6000,0000 (  32)
33=......................8,6833,1761,8811,8864,9551,8194,4012,8000,0000 (  33)
34=....................295,2327,9903,9604,1408,4761,8609,6435,2000,0000 (  34)
35=.................1,0333,1479,6638,6144,9296,6665,1337,5232,0000,0000 (  35)
36=................37,1993,3267,8990,1217,4679,9944,8150,8352,0000,0000 (  36)
37=..............1376,3753,0912,2634,5046,3159,7958,1580,9024,0000,0000 (  37)
38=............5,2302,2617,4666,0111,1760,0072,2410,0074,2912,0000,0000 (  38)
39=..........203,9788,2081,1974,4335,8640,2817,3990,2897,3568,0000,0000 (  39)
40=.........8159,1528,3247,8977,3434,5611,2695,9611,5894,2720,0000,0000 (  40)



マクローリン展開(Maclaurin expansion)

マクローリン級数の式を使えば、小数点以下4〜5桁くらいまで正確に求めることは、筆算でもそんなに面倒なことではありません。

をマクローリン級数で表すことを、をマクローリン展開するといいます。



=1+1+1/2+1/6+1/24+1/120+1/720+1/5040+.................. = 2.71828 18284 59045 23536 02874 71352 ….

0次近似 1.00000 (+0)

1次近似 2.00000 (+1)
 


2次近似 2.50000 (+0.5000)
 

3次近似 2.66667 (+0.16666)


4次近似 2.70833 (+0.01466)


5次近似 2.71667 (+0.00833)

6次近似 2.71806(+0.00138)

7
次近似 2.71824 (+0.00018)

8
次近似 2.71826 (+0.00002)

7次近似 までとると、小数点以下4桁までが、真の値と一致します。



マクローリン級数



x に虚数を入れてみたらどうなるか?

x の代わりに ix を代入する



cos のマクローリン展開)+ i (sin のマクローリン展開)

オイラー(Eular)の公式です。

実数の世界では、関係ないと思われていた三角関数と指数関数が、実は虚数の世界を通じてつながっていたのです。

オイラーの公式に x = π を代入したときに得られる最も美しい数式。



1) 円周率 π

2) 自然対数の底(ネイピア
(Napier)数といわれる無理数) e
 その定義は摩訶不思議である。
   
3) 虚数単位 i
 2乗すると -1 になる数。

4) 自然数の最小単位 1
 
5) 数学史上最大の発見 0

数学のエッセンス(5つの数)が結ばれている最高にエレガントで美しく調和している数式なのです。




グレゴリー・ライプニッツ級数



この級数はラィプニッツあるいはグレゴリー級
(Leibniz1646-1716,Gregory1638-1675)といわれます。

この2人より以前にインドの数学者マーダヴァ
(Madhava,1400年頃)により発見されています。

πと関連をもつ無限級数として最初に発見されたものは、
1671年に発見されたグレゴリー・ライプニッツ級数があげられます。

 π/4=tan-1

    =1/1−1/3+1/5−1/7+1/9−1/11+・・・

=Σ(−1)n-1 ・1/(2n+1)

ライプニッツはπ/4がすべての奇数の逆数を交互に加えたり引いたりしてえられる無限級数の和に一致するという事実に対して「神は奇数で楽しむ」と書いていて、この式に自然の神秘の深遠さを感じたそうです。

 tan-11=π/4を利用したこの展開公式は簡単な形の式ですが、ゆっくりとしか収束しないので、20項まで計算しても3.042までしか求まらないし、3.14まで一致するのに300項も必要です。

グレゴリー・ライプニッツ級数はπの近似値を求めるのには実用的ではありません.


マーチン級数

πを計算するための無限級数のうちでもっともポピュラーなものは、ニュートンと同時代のマーチンによって発見された次のような式です
(1706年)

 π/4=4arctan(1/5)−arctan(1/239)

=4(1/5−1/3・5^3+1/5・5^5−1/7・5^7+・・・)−(1/239−1/3・239^3+1/5・239^5−・・・)

第2項の級数は非常に収束が速く,第1項の級数も1/5^2=0.04ぐらいの比で次々に小さくなります。

数値計算に十分使えます.

マーチンの級数の計算誤差は
4/(2n+3)・(1/5)^2n+3ぐらいで,マーチン自身はこの公式のよってπの値を100桁ほど求めました.

計算機のない時代のことですから,当然手計算であって神業ともいうべき話です。


マーチンの級数は収束が極めて急速で、コンピュータの時代に移った後もたくさんの人に利用されました。

はじめてコンピュータを用いてπの値を計算したノイマンは、マーチンの公式を使って
70時間で2037桁まで正しい値を求めました(1949年)

1980年代にはいるとtan-1(x)の展開公式よりも格段に優れた新しい公式が発表されました。

東京大学の金田康正氏のグループは楕円積分の計算と関係した
ガウス・ルジャンドルの算術幾何平均法という強力な武器を用いて世界記録を樹立しました。

スーパーコンピュータでのπの果てしなき計算競争はまもなく
100億桁を突破しそうです。

円周率πの計算や巨大な素数の発見はコンピュータシステムの信頼性や処理速度といった性能をテストするのに最適なのです。









公 理 主 義・存 在 問 題
必 要 条 件・十 分 条 件


公理主義

近代数学の濫膓はあくまでギリシャであり、それほどにギリシャの数学は素晴らしいものです。

ギリシャの数学の素晴らしさは一言で言えば、それは公理主義ということです。

公理主義とは、雑然たる知識が単に並べられているのとは違い、たとえば、ユークリッドの幾何でいえば、五つの公理だけをまず仮定します。

言い換えれば、それ以外は何も知らなくてもよいのです。

あとの問題は、この公理からすべて導き出せるという、まことに素晴らしい構造になっているわけです。

しかもその導き出す手段は形式論理学(日常言語を用いず、三段論法・記号論理学など理論の形式的構造を研究する論理学)に限られています。

ユークリッド幾何学のすべての定理がたった
五つの公理で説明できるということです。

この点が古代ギリシャとその他の古代国家で発展した数学との
決定的な相違なのです。

もうひとつ大事なことは、使用される論理学が特定されているために、証明できたかできないかが一義的、客観的に、つまり誰の目にも明らかにわかるということです。

言い換えれば、証明されたようでもあり、されないようでもあるといった曖昧さは微塵もないという点です。

そこで、必然的に幾何学はすべての学問の理想と見なされることとなります。

プラトンもアカデマイヤー(プラトンがアテナイで開いた学校)の看板に"幾何学を学ばざる者、わが門に入るべからず"と書いていました。



以下、数学嫌いな人のための数学、数学を使わない数学の講義 小室直樹より



存在問題

数学の論理は、いわゆる常識の論理とひじょうに異なっている場合が多いのですが、実は、誰もが無意識のうちにそれを使ったり、あるいはそれが、人類の発展にものすごく大きな影響を与えたりしているのです。

「存在問題」はその典型です。

数学の論理がいかに常識と異なっているか、つまり「数学の論理」はいかに「常識」を超えた「超常識」的なものかという例を示してみます。

存在しないものについてはいかなる命題も成り立つというのが数学的論理の1つの特徴です。

存在しないものに関しては何を言っても正しいことになります。 

真っ赤な嘘も数学的には正解です。

前提が間違っていれば帰結は何を言っても正しい、ということを示しているのです

これをもっと徹底すれば、存在しないものに関しては何を言っても正しい、ということになるのです。

つまり、一見、数学の論理と常識の論理とは懸け離れているように思われがちですが、この条件文のように、われわれは日常の中でも、案外、数学の論理を駆使しているのです。

数学の基本命題についてよく理解する必要があります。

論理の問題としては、何事かを言う場合には、まずそれが存在するかどうかを確かめることが最初です。

数学の偉大な業績の1つですが、こうした問題のきっかけというのは、実は、ギリシャの昔からありました。

「ある与えられた角を定規とコンパスだけを用いて3等分しなさい」という、角の3等分問題もそうです。

この問題もやはり、ギリシャの数学者たちが必死になって作図しようとしたのだが、何百年たってもできませんでした。

しかし、正3角形の作図などはいたって簡単で、ギリシャの時代にすでにやっていたし、正方形、正5角形、正6角形…:、とずっといって正12角形ぐらいまでなら簡単に作図はできました。

しかし、正17角形の作図となると、これは大問題で、ずっと長い間、これができるとは誰も思わなかったのです。

代数についでは、1次方程式はごく簡単に解けるわけだし、2次方程式もバビロニアの数学ですでに解けており、それがローマに伝わって、アラビアの代数学でも解けていました。

しかし、その次の3次方程式となると、これは解けるまでにずいぶんと長い時間を要してしまいました。

ようやくルネッサンス時代に、イタリアの
カルダノ(1501〜76年)が初めて解いたのです。

そして、それに続いて間もなく4次方程式も
カルダノの弟子のフェラリによって解かれることになりました。

そこで、数学者の関心は当然、次の5次方程式へと向かったわけですが、これもずっと解けずに、何百年という時だけが空しく流れてしまいました。


数学が提起した「存在問題」の重要性

以上、代表的な数学上の難問を挙げてみましたが、これらの問題というのは、実は、非常に本質的な問題を含んでいるのです。

こうしたギリシャ的な問題が中世ゲルマン的世界に持ち込まれることによって、大変な数学的論争が巻き起こされることにもなりました。

これは、一言でいえば"存在間題"ということであり、ある問題が起きたとすれば、その問題の対象になっているものが本当に存在するのかどうかを、まず確認しなくてはいけないということなのです。

体積の二倍問題を存在間題として考えてみると、定規とコンパスだけをもってやったのでは、そうした作図法は存在しないのです。

これはギリシャの昔から約
2,000年もたってから、ようやく証明されたのです。

角の三等分問題についても同様です。

与えられた任意の角を、他のいかなる情報もなしに定規とコンパスだけで三等分する方法は存在しないのです。

このことは、
ドイツの天才数学者ガウス(1777〜1855年)によって証明されました。

このガウスは、正
17角形を初めて作図した人物です。

しかも、正
n角形のうちで、定規とコンパスだけで作図できるものとできないものとがあることを、きちんと証明した人物でもあります。

5次方程式については、ノルウェーの数学者アーベル(1802〜1855年)によって、一般的な5次方程式を解く代数的方法(つまり係数の加減乗除やルートを開くだけのやり方)は存在しないということが証明されました。

実生活とまるで無縁な問題を考え続ける数学者とは、実に奇妙な存在だ、と思う人が多いかもしれません。

しかし、このような証明が成されたということは、数学的にものすごく大きな貢献をしただけではないのです。

その他の自然科学において、さらに社会科学において、非常に意義深いことだったのです。

たとえば、神学についていえば・神学の最大の問題は、もちろん本当に神が存在するかどうか、という点にあります。

たしかに神が存在するとなれば、ものすごい議論をしても実りがあります。

しかし、もし神が存在しないとすれば、どんなに神学的な大議論を展開しても、およそ無意味です。

数学によって初めてクローズアップされた
「存在問題」の重要さは、十分おわかりいただけるはずです。

存在問題が、現代のわれわれの生活にとつてどういう意味があるのか、

例えば、宇宙開発のほうは月に行くための確かな条件が存在することは、すでにわかっていたのです。

人工衛星にしろ、宇宙船にしろ、それらはすべて物理学の領域です。

物理学というのは、あのリンゴのエピソードでおなじみのニュートンが考え出した「ニュートン力学」の第二法則と第三法則を公理のごとき前提として、数学と同様、それからすべてがきちんと導き出される学問です。

いい換えると、その第二・第三法則さえ仮定すれば、物理学の世界の森羅万象がすべて説明されるということです。

当然人工衛星や宇宙船についてもニュートン力学の範囲の中に含まれる問題です。

ニュートン力学というのはすべて微分方程式で表現され、その微分方程式さえ解けば、理論的には楽々と人工衛星や宇宙船を飛ばすことだってできることになります。

技術的な問題を別にすれば、いかにして微分方程式を解くかということです。

ところが、この微分方程式というのがなかなか複雑で、簡単に解けるものではないのです。

微分方程式を解くとは、積分を繰り返して、解(解答)をなんらかの既知の関数の形に表わすということです。

さらにそれを計算して数値を出そうとするのです。

この積み重ねで物理学は進歩してきたわけです。

しかし、微分方程式が複雑になってくると、とてもそんな初歩的な解法では解き得ないものが増えてくるのです。

人間が月へ行けたのは「存在問題」解決のおかげです。

基本となる公理は、ニュートンがすでに考えておいてくれたのだから、公理主義の考えで進めていけば、微分方程式を作ることはそれほどむずかしくはないのです。

だが、せっかく作った方程式が解けないのでは何にもならないではないのでしょうか。

こんなジレンマが、物理学者の間でしばらく続くのですが、
19世紀の終わりになって、ついに驚くべき発見が成されるのです。

発見者は
フランスの数学者コーシーという人物なのですが、彼は微分方程式に関して、解く方法を見つけることはひとまず別問題にし、とりあえず微分方程式に解があるかどうかを見抜く方法を見つけようとし、見事にそれに成功したのです。

言い換えれば、微分方程式における解の存在問題が解決されたのです。

つまり、学者が微分方程式をグッと睨めば、解は出せなくとも、解があるかどうかはわかるということになったのです。

ごく普通の常識では、解があるのがわかっていれば解けるだろうとか、解があるのがわかっていたって解けなくては意味がないじゃないか、ということにもなるのでしょうが、数学や物理の世界では、解があることがわかっただけでも大変なことです。

そこが、存在問題のおもしろいところでもあります。

これは、逆のケースを考えてみればすぐわかります。

もし解を持たない微分方程式だとすれば、解く努力自体がまったく意味を持たないのです。

そんな微分方程式に関わっていても時間の浪費にしかならないのです。

ところで、解があるのはわかったが、解の求め方はわからないという場合、ではどうするかといえば、あとはコンピューターにお任せという形でいいのです。

コンピューターのない昔なら、解があるのはわかっても解き方が見つからないのではそれまでです。

コンピューターが発達した現在では、コンピューターで、解に限りなく接近すればいいということになったのです。

科学者たちは、この微分方程式ならだいたいこれだけ計算すれば解にこれだけ接近できる、だから、これだけの予算があれば実現までに何年かかるか、ということの予測も十分つくのです。

ガウスは、n次方程式は、どんなものでも、複素数の範囲内で必ず根を持つということを証明しました。

そしてアーベルは、五次方程式は代数的方法では解き得ないことを証明しました。

これはどういうことかといえば、つまり解は間違いなくある、しかし、その方法では永遠に見つけることはできないという意味なのです。

現在の方法で不可能であれば別の方法を考えるにことになります。

宇宙船にたとえていえば、宇宙船を飛ばすための微分方程式に解はありますが、その解を積分で求めることはできません。

これはつまり、海峡はあるが・船では越えられない、というのと同じことで、だから船以外の方法でやらなくてはいけないということです。

宇宙船の場合、コンピューターで解に無限に接近することになるわけです。

方程式は必ず解を持つとは限らず、むしろ解を持たないほうが普通なのです。

また、解があっても、求める方法がないために、近似値しか求められない場合もあります。

古典的な物理学者で名を成した人は、解があって、しかも積分によって解くことができる微分方程式にたまたま出会う、という幸運に恵まれた人物なのです。




ガウスやガロアは、なぜ天才数学者といわれるか

n次の整方程式が、果たして解を持つのかどうかということも、ガウスが出て来るまでは、誰にも確信は持てなかったのです。

また、1次方程式の場合には、係数が自然数でも、解は分数にもなるわけで、自然数の範囲で解けるとは限りません。

2次方程式にしても係数が実数だからといって、実数の範囲で解けるとは限らないのです。

つまり、n次方程式に、もし解があるとしても、それが複素数の範囲内にあるかどうかということもはっきりしなかったのです。

その解は複々素数か、複々々素数などというものかもしれないし、あるいはもっと複雑なものである可能性もあったわけで、まったく予想すらできなかったのです。

ところが、そこがガウスの天才中の天才たる所以なのです。

彼は、
100次であろうが1000次であろうが、100万次であろうが、とにかく任意のn次方程式は、複素数の範囲内で必ず解を持つということを証明したのです。

解があるということを証明するだけでも大変なことなのに、その解は複素数の範囲内だという特定までしたのです。

これは文字どおり
天地を揺るがすほどの大定理だと言って良いのです。

地理上の発見でいえば、大西洋から太平洋へ行くための海峡は必ずあるというだけではなく、その海峡はアメリカ大陸のどこにあるか、というところまで突き止めてくれたようなものなのです。

さらに数学史的に見ていくと、ガウスに次いで現われた天才が、ガロアというフランス人です。

彼はわずか
21歳という若さで、決闘によって生命を絶つという情熱的な生き方をした男でした。

このガロアは任意に与えられたn次方程式について、代数的に解けるための必要かつ十分条件を求めたのです。

簡単にいうと、このガロアの定理を使えば、どんなn次方程式でも代数的に解けるか解けないかが一目でわかるというものなのです。

これがどれほど価値のあることかは、もうおわかりのことでしょう。



経済学における「存在問題」とは何か

存在問題が明確になることで進歩した他の分野はといえば、まず理論経済学を挙げることができます。

理論経済学といえば、その始祖のワルラス(1834〜1910年)の名前を忘れるわけにはいきません。

理論経済学のシステムは連立方程式で表わせますよ、といって「一般均衡論」を著わしたのが、彼なのです。

そして、その連立方程式が解を持った場合に、理論経済学においてはシステムが決定されたとされます。

しかし存在問題的に言えば、連立方程式には必ず解があるとは限りません。

また、たとえ解はあるとしても、連立方程式のように、解が無限にたくさんあるということだってあり得るのだから、問題はその先にあることがわかります。

理論経済学において、解を求めるとは、価格を決めたり国民所得を求めたりすることだから、解が2つ以上、たくさんあっては困ってしまいます。

たとえば、価格が2通りあるなどといったら、それは価格としての用をなさないのです。

したがって、理論経済学においては、ただ単に解があるというだけではどうしようもない。

その解が一義的、絶対的でなくてはならないのです。

それからもうひとつ、解が一義的であるというだけではまだ不十分で、解が意味を持つということも必要となってきます。

たとえば、価格を求めようとして連立方程式を解いたところ、解が全部ゼロなどと出てしまったのでは、もう意味がありません。

これは、すべての商品が自由財 (経済活動の対象にならないもの、たとえば空気、海水、太陽光など)だということになってしまうから、資本制社会は成立し得ないことになります。

まして価格が虚数にでもなったら、さらにどうしようもありません。

繰り返せば、理論経済学における解は、経済学的に意味のあるものでなければ、文字どおり意味がないのです。

以上をまとめると、理論経済学における解の存在問題とは、解が存在し、しかも一義的で経済的に意味を持たなくては困るということになります。

この理論経済学における解の存在問題を言い出したのが、数学者や物理学者としても偉大な業績を残した
フォン・ノイマン(1903〜57年)でした。

彼は、ワルラスの「一般均衡論」も、解の存在問題を吟味しなくては意味がない、ということを経済学者に提起したのです。

これは1935年のことなのですが、当時の経済学者は数学を知らなかったために、そのノイマンの論文の意味がわかりませんでした。

そして、その意味の重大さがわかり、経済学者たちの間で蜂の巣を突いたような大騒ぎが起こったのは、ようやく1954年になって、アローという学者により、もう一度、間題提起されてからのことでした。

そして、半世紀たった今日でも、この解の存在問題は、理論経済学の一つの中心テーマになっているのです。

次に考えてみたいのは、経済現象において、存在条件を満たさない、言い換えれば、連立方程式が解を持たないとはどういうことでしょうか。

簡単にいえば、片方の方程式は満たすが、もう片方の方程式は満たさない。

つまり、こっちを満たそうと思えばあっちは満たさない、あっちを満たそうとすればこっちは満たさない、ということです。

要するに、両方を同時に満たす解がないということです。

解がない連立方程式は、両方の方程式を同時に満たす解がないということだけであって、一方を満たす解はいくらでもあるし、もう一方だけを満たす解もいくらでもあります。

これを経済現象に当てはめて言えば、こっちのマーケットを満たす価格はある、あっちのマーケットを満たす価格もある、ただし両方のマーケットを同時に満たすような価格はないということなのです。



経済学を科学にしたサムエルソン

19世紀末から20世紀にかけて、解析力学が発達してきた。

解析力学とは、物理学の問題をより一般的に解く方法である。


バーコフ・システムは、解析力学発達の極みである。バーコフ(アメリカの数学者)は、物理学の問題とは、n個の物理変数のあいだの相互連関関係(例、n体問題)を解明するにあり、と定式化した。

この問題を、連立微分方程式のシステムによって表現した。この連立微分方程式を解けば、物理学の問題が解けるわけである。

サムエルソン博士は、ここに目をつけた。

経済学の問題とは、n個の経済変数のあいだの相互連関関係を解明するにある。

サムエルソン博士は、この問題をバーコフ的連立微分方程式のシステムによって表現した。この連立微分方程式を解けば経済学の問題は解けるのである。

物理現象と経済現象とでは、そこに作動する法則がまるっきり違う。

化学が物理学から量子力学の方法を輸入して大きな成果を上げたように<学問的方法を輸入することができる。バーコフ・システムとは、かかる学問的方法の一つである。

サムエルソン博士は、解析力学の方法を輸入して価格形成の理論を構築し、歴史的業績を上げた。

経済理論が、確乎たるたる基礎の上に据えられたのである。

市場における価格形成を論ずる際に、決定的に重要なことは、ある財の価格は他のすべての財の価格とのあいだの、密接な相互連関の中で決定される。

価格決定もまた社会現象であるのだから、至極当然のことであります。

この相互連関性の問題をサムエルソン博士はバーコフ・システムを応用することによって解いた。

解くべき方法を見出したのである。サムエルソン博士の業績によって、経済学は、飛躍的進歩を遂げたのである。

賃金が物価を決めるのか、物価が賃金を決めるのか

レオン・ワルラスが現われることでで、この種の論争に終止符がうたれた。

あの自恃倣岸なサムエルソン博士が、ワルラスに限って特別に敬服をするのは、ワルラスが経済現象における相互連関関係を分析する方法を発見したからである。

この意味においてワルラスは偉大なる経済学者である。

.経済現象の特性は、相互連関性にある。すべてが、他のすべてと、互いに依存しあう。

一般的には、XとYとは相互連関関係にある。XはYに作用し、YはXに作用し、この相互連関関係によって、XとYとは同時に決まる。

ワルラスは、連立方程式を用いることで解明した。

連立方程式で決まる未知数は、同時に決まるから、ワルラスはここに注目した。そして、
経済学史上空前絶後の大発見をした。

経済現象における相互連関関係を、連立方程式を用いて解明する方法を発見したのであった。この大発明により経済学は科学になった。

出所:「経済学のエッセンス-日本経済破局の論理 小室直樹 講談社α文庫」




必要条件と十分条件

必要条件とは何かといえば、パスポートをイメージしてみるとわかりやすいのです。

パスポートは、外国に入国するための必要条件なのです。

パスポートなしに、どこかの国に入国することはできません。

だが、パスポートだけで入国できるかといえば、これは不可能です。

パスポートは、入国のための十分条件ではないのです。

入国カードも一緒に持っていなくては門前払いをされてしまいます。

入国のための必要条件とは。

パスポートは必要条件。

入国カードも必要条件。

ビザも必要条件。

そして、予防注射の証明をしてくれるイエローカードも必要条件。

入国のための
十分条件とは何か。

ある国では、パスポートと入国カードだけで十分条件。

またある国では、それらにさらにビザをプラスして初めて十分条件となることもあります。

以上3つにイエローカードをプラスして、
4つ合わせで十分条件となる場合もあります。

必要条件は1つに限りません。

十分条件も1つに限りません。

たとえば、哺乳類について考えて見ましょう。

人間はすべて哺乳類ですから、「人間である」ということは、哺乳類であるための十分条件です。

犬はどうかといえば、犬だってやはり哺乳類であるための十分条件。

同様に、猫も熊もライオンも虎も、そして鯨だって十分条件です。

哺乳類であるということに関しては、十分条件がずいぶんたくさんあります。

哺乳類であるためには、人間でなければならないということはけっして言えません。

人間であることは、哺乳類であるための必要条件とは言えません。

同じく犬も猫も熊も、どれひとつとして必要条件ではありません。

哺乳類の必要条件としては、温血であること、胎生であること、肺呼吸をすること、さらに乳を飲んで育つことなどが挙げられます。

必要十分条件とは何か。

パスポートの例でいえば、パスポートは入国のための必要条件ですが十分条件ではありません。

人問であることも、哺乳類であることの十分条件ですが、必要条件ではありません。

このように、必要条件ではあるが十分条件ではない、十分条件ではあるが必要条件ではない、というケースのほうが普通は多いのです。

必要条件であると同時に十分条件でもあるというケースもあります。

これを
「必要十分条件」、または「同値」と呼ぶのです。

例えば、生物学的に男性であることは、男性器を持っているための必要条件であり、かつまた十分条件でもあるわけで、すなわち必要十分条件といえます。

そしてまた、男性器を持っていることも男性であるための必要十分条件となります。

したがって男性であることと、男性器を持っていることとは「同値」であるとされるわけです。

男性に関して今述べたことが成り立つのですから、女性についても当然同じことがいえます。

即ち、女性であることと、女性器があるということは必要かつ十分条件、言い換えれば、同値なのです。

必要十分条件というものは表現が違っても、論理的にたった1つしかありません。

ここで、純粋に数学的な命題で、必要条件、十分条件、必要十分条件の例を挙げてみると、こうなります。

自然数について考えてみます。

(Xが3で割り切れる)というのは(Xが6で割り切れる)ための必要条件です。

(Xが6で割り切れる)は、(Xが3で割り切れる)ための十分条件です。

そして(Xは奇数である)というのは(Xの二乗は奇数である)というための必要十分条件であって、この二つの命題は同値ということになります(ただし、同値で表現の違うものは多数ありうる)。

日常的な部分において、必要条件、十分条件、必要十分条件というものが理解できれば、数学の命題について理解するのは、そうむずかしいことではありません。

同値とは、二つのことがまったく論理的に同じことを意味しているというだけのことです。




社会科学の最重要概念

数学征服の鍵は、必要条件と十分条件の理解にあります。

必要条件(necessary condition)と十分条件(sufficient condition)は、数学に突入し突破するためこれほど肝要なことはないのです。

しかし、これを理解することは大変困難なことなのです。

犬は4本足である。という命題(proposition)があり、この命題は正しいとする。

「犬である」ことは、「4本足である」ことの十分条件である。

「4本足である」ことは、「犬である」ことの必要条件である。

正方形であれば長方形である。

正方形であることは、長方形であるための十分条件。

長方形であることは、正方形であるための必要条件。

公式的にいうと次のようになります。

いま、p,qを命題とする。p,qは正しいとする。

pならばqである(p→qと書く)とする。

このとき、pqであるための十分条件。

qpであるための必要条件。

必要条件の例

三角形であることは二等辺三角形の必要条件。

二等辺三角形であることは正三角形であるための必要条件。(注:四辺が等しい四角形は菱形か正方形である)

X>2であることはX>5であるための必要条件。

人間であることは日本人であることの必要条件。

十分条件の例

「x=1である」ことは「x二乗=1である」ための十分条件。

「象であること」は「4本足である」ための十分条件。

「菱形であること」は「平行四辺形である」ための十分条件。

「xが正である」ことは「xが負でないこと」の十分条件。

「日本人である」ことは「人間である」ための十分条件。

必要十分条件とは何か「同値」の定義

必要条件(necessary condition)であり、かつ十分条件(sufficient condition)と言う。

あるいは、必要かつ十分な条件とも言う。

例えば、二等辺三角形であることは、二等角三角形であるための必要(かつ)十分な条件である。

さらに進んで、こうも言える。

二等辺三角形は、二等角三角形であるための必要十分条件である。

角が直角であることは、四角形が長方形であるための必要十分条件である。

pならばqで、かつqならばpのとき、pqの必要十分条件という。このとき、qpの必要十分条件である。

qとが必要十分条件のとき、qとは論理的には、全く同じことである。

qとは、同値(equivalent)である、と言う。




必要条件と十分条件は、数学の論理を自由自在に駆使するには不可欠な要素であるのは勿論です。

社会科学にとっても最も重要な概念なのです。

これのみで数学の効用まさに知るべしと言えます。

必要条件の定義

Aが成り立てば、必ずBも成り立つとき、そのAに対するBのことを必要条件という。

すなわち、Bという命題が成り立たなければ、必ずAという命題も成り立たない。

長方形であること(B)は、正方形であること(A)の必要条件である。

哺乳類であること(B)は、猫であること(A)の必要条件である

十分条件の定義

Aという命題が成り立てば、それだけで必ずBという命題が成り立つとき、AはBの十分条件です。

AはBの集合の中に包含されるというイメージである。

正方形であること(A) は、長方形であること(B)の十分条件である。

猫であること(A)は、哺乳類であること(B)の十分条件である。

この二つの関係は

AがBに対して必要条件ならば、BはAに対して十分条件である。

AがBに対して十分条件ならば、BはAに対して必要条件である。




生き物たちのエレガントな数学 (知りたい!サイエンス 19)


『生き物たちのエレガントな数学』
出版社  技術評論社
[知りたいサイエンスシリーズ]
著者 上村文隆 定価
1580
目次
 1、ハチの巣はなぜ六角形か
 2、植物の葉の付き方
 3、まつぼっくりの研究
 4、植物の葉や枝が描く形の謎
 5、樹木の生長
 
6、ハマグリの数学
 7、貝の成長とマルサスの法則
 8、黄金率とフィボナッチ数列と等角らせんの秘密
 9、生き物の大きさと形の関係
10、地球環境と生態系を比例で読み解く
11、働きアリと怠けアリとパレートの法則







ラマヌジャン(RAMANUJAN-1887〜1920)
円周率の公式 南インドの天才数学者


ラマヌジャンの円周率の公式(1914年発表)

チュドノフスキーの公式(ラマヌジャン公式をチューンアップした高速π計算公式)

ポールウェイン兄弟による公式




ラマヌジャン公式は円周率計算の歴史の中でも特異な存在でした。

証明されていない公式でしたが、ひとたび計算すると、3・14159265……と正しい円周率の値が出てくるのです。

この公式の驚くべき点は、そのスピードにあります。

「スピード」とは計算結果から円周率が現れる速さのことです。

驚異のスピードでπが出現します。

ライプニッツによる円周率の公式は、スピードがとても遅い公式です。

つまり、いくら計算しても3・1415……がなかなか現れてはこないのです。

しかし、先ほどのラマヌジャンの公式は、なんと級数(無限個の足し算)のはじめの二項を足し算しただけで、3・14159265まで正確な値がはじき出されてきます。

ラマヌジャンは円周率探査の歴史を変えたのです。

ラマヌジャン公式は、ラマヌジャンがこの世を去ってからその威力を見せ始めました。

1987年ジョナサン・ボールウェインとピーター・ボールウェインの兄弟の手により、その証明がされたのです。

「ゼータ関数の”奇跡”」という見出しで始まる証明の中で、彼らはラマヌジャンの公式がどこからやってきたのかを説明してみせました。ラマヌジャンは生涯のテーマとしたのがゼータ関数でした。

その理論を使ってボールウェイン兄弟が導き出した公式です。

実はボールウェイン兄弟による証明がなされる2年前の1985年、アメリカの数学者、プログラマーのビル・ゴスパー(本名ラルフーウィリアム・ゴスパー、1943〜)は当時世界記録となる1752万6200桁の円周率を、「ラマヌジャン公式」を使ってはじき出すことに成功していました。

最初の100桁部分が一致していることにゴスパーはこの公式が円周率を表すことを確信します。

しかし、当時ラマヌジャン公式が本当にπを表す式なのかわからなかったので、ゴスパーの結果の真偽をつけることができませんでした。

しかし、ボールウェイン兄弟による証明がなされたのをきっかけに、πの計算は一気に"億"の時代へと突入していくことになります。

それが東京大学の金田康正チームと、πを計算するために旧ソ連からアメリカに渡ったチュドノフスキー兄弟による激しい円周率計算競争でした。

東京大学は世界最新のスーパーコンピュータを駆値して、一方のチュドノフスキー兄弟は自作の電子計算機を用いての前代未聞のπ計算競争です。

1987年、金田チームがπ計算の歴史上はじめて小数点以下1億桁超えを達成すると、1989年6月にチュドノフスキー兄弟は5億3537万9270桁を計算。

すると、1カ月後の七月に金田チームは5億3687万898桁を計界して抜き返しました。

翌八月には、チュドノフスキー兄弟は10億桁超えを達成します。

その際に彼らが電子計埠にプログラミングしたのが、証明がなされたぱかりのラマヌジャン公式でした。

現代になってようやくその威力が開花したのです。

さらに1994年、チュドノフスキー兄弟が40億4400万桁と世界記録を更新しました。

その際、自作の電子計算機にブログラミングされていたのが、チュドノフスキー公式です。

これはラマヌジャン公式をチューンアップした高速π計算公式です。

◆チュドノフスキー公式

ラマヌジャン公式は1回計算するごとに8桁ほど精度が上がっていくのに対して、チュドノフスキー公式は14桁ほど精度が上がっていきます。

このチュドノフスキー公式の威力は、電子計算機の性能が上がれば上がるほど証明されることになりました。

2011年、会社員の近藤茂氏がチュドノフスキー公式を使って、10兆桁のギネス記録を打ち立てました。

自宅の電子計算機を動かし続け、計算に成功したのです。

1920年に32歳の若さでこの世を去ったラマヌジャン。

しかし、ラマヌジャン公式は国境を越え、時代を超えて今なお 生き続けています。

それこそがボールウェイン兄弟がいった 奇跡 なのかもしれません。

ラマヌゾヤンの発見した公式は、彼がいなかったら100年経った今て も誰も発見していないと思います。

数学や自然科学の発見には、理論的な必然性があります。

しかし、ラマヌジャンが なぜそれを思いついたのか!誰にもわかりません。

1920年4月26日、ラマヌジャンは32年の生涯を閉じ、同時に計算の旅も終えたのです。

彼が残したものは3254個の公式が書かれたノートと、部屋に散乱した計算用紙でした。

出所:面白くて眠れなく数学者たち 桜井進著 株式会社PHP研究所





070730 朝日朝刊(東京12版)14ページ科学面

天才数学者ラマヌジャンが残した公式「擬ゼータ関数関数」謎の正体に迫る

20世紀初め、南インドに彗星のように現れ、32歳で夭逝した天才数学者シュリニバーサ・ラマヌジャン(1887〜1920)。

彼の残した最大の謎「モックゼータ関数(擬ゼータ関数)関数」が、日系の米大教授らによって数学的に位置づけられた。

宇宙の根源を探る科学とかかわるのではないかともいわれ、自然界との接点発見が待ち望まれている。(上田俊英=ワシントン、小林哲)

「インドの魔術師」ほぼ独学で導く

ラマヌジャンは、数学史上でも極めて異質な天才とされる。

南インドの貧しい家に育ち、数学はほぼ独学。

港湾局に勤めながら、3冊のノートに一流の数学者も思いつかないような公式を3千以上も書き残した。

無限に続く和の形で表される数式「無限級数」が得意で、複雑な式を自在に操って美しい公式を導き、後に「インドの魔術師」と呼ばれた。

1913年、「1+2+3+4+…」と無限に足した答えを「マイナス12分の1」と記した手紙を英ケンブリッジ大の数学者ハーディーに出す。

数学の巨人オイラーが「ゼータ関数」という特殊な関数を使って導き出したのと同じ答えに、独力でたどり着いていた。

「天才」と直感したハーディーの招きで翌14年、英国に渡り、才能が花開いた。

ゼータ関数は、現代物理学の素粒子論などとも密接にかかわる。

黒川重信・東京工業大教授(数論)によると、ゼータ関数の「概念の拡大」がラマヌジャンの最大の業績の一つ。

それまでのゼータ関数が「平屋」であるとすれば、類縁の「2階建て」関数があることを見つけたのだという。

「2階建てであるとわかれば、3階建て、4階建てもあると思いつく。

ゼータ関数の世界が一気に広がった」

藤原正彦・お茶の水女子大教授(数論)は「何の脈略もないところから驚異的な数式が出てくる。

凡人の理解をはるかに超えており腹が立つほど。

アインシュタインがいなくても相対性理論は発見されただろうが、ラマヌジャンがいなければ彼の公式の大半は今も見つかっていないだろう」という。

数学的位置づけ 日系教授ら成功

ラマヌジャンが最後に研究に打ち込んだのが、「擬ゼータ関数関数」だ。

オイラーの研究に端を発し、ドイツの数学者ヤコビが発展させた「ゼータ関数関数」と共通点があると考えての命名だった。

死の3ヶ月前の20年1月、擬ゼータ関数関数について17個の公式を記した手紙をハーディーに送り、その手紙がその後、80年余も世界の数学者を悩ませてきた。

どうやってこれらの公式を発見したのか。各公式の意味は。そもそも擬ゼータ関数関数とは何か。

手がかりは何一つ記されていなかった。

転機は2002年に訪れた。

オランダの数学者ズウェガースが、ラマヌジャンの公式が「マースの保系型形式」と呼ばれる数学の特殊な形式と関係があると気づいた。

それを手がかりに解明に挑んだのが、米ウィンスコンシン大マディソン校のケン・オノ教授(39)とカトリン・ブリングマン研究員(29)。

2005年7月、移動の機中で、謎解きの道筋がひらめいたという。

2人は擬ゼータ関数関数全体を表す「一つの公式」を導き出し、今年2月、米科学アカデミー紀要(電子版)に論文を発表した。

成果について、桂田昌紀・慶応大教授(解析的数論)は「時代を超越した天才の仕事が、ようやく理解できるようになってきた。

天才による発見を解釈し、位置づけることで、現代数学は発展してきた」と評価する。

擬ゼータ関数関数の正体に迫る研究がどれほど難しかったか。

「地球に2分間立ち寄った宇宙人がヘビとフンコロガシに出あい、この2種類の生物から地球の生物の全体像を想像するようなものだった」と、オノさんは表現する。

テータ関数は現代物理学の「超ひも理論」で重要な役割を担うなど、数学以外の自然科学の研究にも欠かせない。

擬ゼータ関数関数も同様の秘密があるのではないか。

「擬テータ関数は(自然界の力を統一して記述する)大統一理論発見へのヒントを与えてくれている」。

1987年、ラマヌジャン生誕100年の記念会議で、米国の物理学者フリーマン・ダイソンは語った。

最近では宇宙の膨張エネルギーとの関係もささやかれている。

オノさんの父親で数学者の小野孝さん(現ジョンズホプキンズ大教授)ら世界の数学者が記事にこたえ、募金で胸像を贈った。

そして1984年、ジャーナキさんから孝さんに感謝の手紙が届いた。

「ラマヌジャンって、だれ」。15歳のオノさんが問いかけ、すべては始まった。

オノさんとラマヌジャンには、因縁がある。

生誕百年を前にラマヌジャンの関心が世界的に高まっていたころ、わずか9歳で結婚し、彼の死後60年以上も生活苦にあえいだ妻ジャーナキさんが「夫の栄誉をたたえて銅像を建ててくれると言ったけど、どこにあるの」と、周囲の無理解さをインド紙上で訴えた。


出所:ラマヌジャン「擬ゼータ関数」 作成日時 : 2007/11/24 01:08  ブログ気持玉 21






シュレディンガー方程式
波 動 関 数 ハミルトニアン演算子


波の数式
























波は空間的(
の関数)に広がり、かつ時間的(の関数)に振動しています。



オイラーの公式

オイラーの公式



微分することで
sincoscossinに変化しますが、微分しても形が変わらない関数が「指数関数」です。
オイラーの公式を利用することで、微分が簡単になります(数学のトリック)。


オイラーの公式の xax を代入

両辺にをかけ

abは実数、コサイン、サインで振動する波



波の関数表現




波の式、Aは振幅



複素共役をかけ、波の絶対値の2乗を求める


波の絶対値の2乗

波の振幅の2乗は、の正負により振幅の減衰や増大を表します



 



エネルギーの保存則






 運動量の保存則







波動関数

X軸上で振動したり減衰する波
 

時間軸上の振動
 

波動関数を空間 に関して偏微分

変数は
だから、 を定数とみなして のみで偏微分


両辺に をかけた後、で整理




運動量演算子

波動関数 x 演算子 = 運動量 x 波動関数









 








全エネルギーE = ポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)V + 運動エネルギーT

E = V + T





を代入








ハミルトニアン演算子 H





時間に依存しないシュレディンガー方程式


φとする


運動エネルギー + ポテンシャルエネルギー = 全エネルギー






波動関数を時間 に関して偏微分






(T+V=E)



時間に依存するシュレディンガー方程式(一般的)

 


運動量やエネルギーの数値







(波動関数の振幅の2乗)



存在確率



波動関数の規格化条件



運動量演算子を複素共役の波動関数ではさみ積分をとると、運動量Pを求められる(期待値)


エネルギーの期待値を求める場合も同様でハミルトニアンを複素共役の波動関数ではさみ積分



SYNCHRONATURE

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