MARKET
市場の「現在値」が真実・テクニカル分析



市場価格は、投資家が知り得るあらゆる情報が織り込まれて成立しています。

チャートから相場の流れや投資家の期待や思惑という心理状態を読み取り、将来の展開を予測する分析技法。

市場がつけた価格「現在値」が真実を表すと考えるのがテクニカル分析です。各種の方法があります。


RSI (Relative Strength Index)
コンバージェンス
ダイバージェンス
フィボナッチ - 黄金比
リトレースメント
75日移動平均線
株 価 の 恋 人
ストキャスティクス
「スロー%K」「%D」「スロー%D」






RSI (Relative Strength Index)
コンバージェンス・ダイバージェンス


RSIは一定期間の値上がり幅と値下がり幅の合計のうち、値上がり幅の合計がどのくらいの割合を占めるのかを見る指標です。

すべて上昇なら100%、すべて下落なら0%、値上がりの値幅の合計と値下がりの値嘱の合計が同じなら50%、ということになります。

この指標は株価の短期的な「上がり過ぎ」や「下がり過ぎ」を見るものであり、基本的には30%以下なら買い、70%以上なら売り、という見方をします。

慎重にいくなら20%以下で買い、相場を強気に見て利益を伸ばすなら80%以上で売り、というように、相場状況や投資スタンスによって、基準を甘くしたり厳しくしたりします。

RSI
でよく使われる期間は9日や13日です。

売りポイントをRSI70%にするのか80%にするのか、買いポイントを30%にするのか20%にするのかによって、実際の株価のポイントがかなり変わってくることがわかります。

RSIを始めとしたテク二カル指標を見るときのコツとして、「コンバージェンス」や「ダイバージェンス」の形になると、それはより明確で有効な売買サインとして使えることが多々あります。

たとえば、株価が切り下がっているのにRSIは切り上がり、株価とRSIが収束するような形になる現象をコンバージェンス(買いサイン)といい、強気サインと見ることができます。

株価は下落しているものの、テクニカル指標から見ると下落の勢いが衰えてきていると考えられからです。

逆に、株価上昇が続いているのにRSIは下がり始めるように、株価とテクニカル指標が離れて開いていくような形をダイバージェンス(売りサイン)といい、弱気サインと考えることができます。

株価の上昇は続いていますが、テク二カル指標から見ると上昇の勢いが衰えてきていると考えられるからです。

確実に買いたいならRSI 30%、なるべく安く買いたいならRSI 20%以下が買いの目安になる。

安値圏でのコンパージェンズは重要な買いサイン。

損切りは「買値から5%下がったら」などのルールを決めておくのが良い。

利食いは慎重にいくならRSI 70%強気にいくなら80%(場合によっては90%)。

高値圏でのダイバージェンスは重要な売りサイン。

 


最も信頼できるRSI

前置きが長くなってしまいました。「池辺さんは、どんなテクニカル指標を見ているんですか?」という質問の話でした。

私自身が覚えていなくても、私が読んだ数々の本は骨肉となって、あるいは血液となって体を流れて、いまだに私の考え方、相場の見方に影響を与えているはずです。

ですから、「どれかひとつ」と言われても、困ってしまうのです。

でも、こんな質問になら答えられるかもしれません。

「最も信頼して使っていて、すぐにマネできる方法はどれですか?」

この質問ならきっと私はRSIの乖離幅です」と即答するでしょう。

RSIという言葉を初めて耳にする方も多いかと思います。

これはウェルズ・ワイルダーというアメリカ人が発明したテクニカル分析の道具です。

ワイルダーはRSI以外にもパラボリックやボラティリティシステムなど、さまざまなテクニカル分析を発明した神様のような人です。

彼の発明した数々の道具は投資家の間で頻繁に使用されています。

なかでも、私が主力にしているのがRSIなのです。

ワイルダーの開発した手法の中でも最も広く使われているツールだといってよいでしょう。

RSIはオシレータ系と呼ばれる一派のテクニカル分析法で「売られすぎ」や「買われすぎ」を示すとされています。

為替に限らず、金融市場ではトレンドが発生すると一方向へ急に動いて、その後揺り戻しがあるという動きが一般的です。

下げすぎや上げすぎをRSIで判断することができるのです。

RSI0〜100までの数値で示されます。

過去の値上がり幅や値下がり幅から計算します。

RSIの使い方で一般的によく言われるのは、「RSI30を割ったら売られすぎ(下げすぎ)だから買いのチャンス」

RSI70を超えたら買われすぎ(上げすぎ)だから売りのチャンス」です。

3070をそれぞれ2080とする本もあります。

普段は「下げすぎているようだから、そろそろ上がるかしら」と感覚的に思っていることをRSIは数値で客観的に教えてくれます。

RSIは2本セットで活用

ただ、RSI3070などの水準を超えたかどうかで判断する見方はあくまでも一般的な使われ方です。

間違えているとは言いませんが、私が注目するのは別の観点です。

というのも、RSIを見ていると、30を切ってさらに下を目指したり30を割った水準でそのまま横に行ったりといったことが多く、最終的に反対へ動いたとしても、いつ動くのか、なかなかわからないからです。

また、トレンド発生の比較的初期にシグナル(売り買いのサイン、RSIの場合は30、70を超えたとき)が出てしまうので、その後の大きな値動きを読みとりにくいという欠点もあります。

私がテクニカル分析を研究したときにやっていた商品先物の世界では、特にその傾向が強かったように思います。

短期トレードでは、スワップがマイナスになる組み合わせで取引することも多々あります。

米ドルが下がると思えば、米ドル/円で売りから入ります。

その間、日をまたぐごとにスワップを支払わないといけませんから、できるだけ短期問で決着をつけないと、最終的に買ったとしても、利益は小さくなってしまいます。

これではちょっと効率が悪いのではないか。

そう思って私が見つけたのがRSIを2本活用して、その乖離幅に注目するやり方です。

RSIには過去何日間の値幅を計算に入れるかというパラメータがあります。

先ほど紹介した一般的な使い方の場合は、「14」とする人が多いようです。

日足チャートでRSIのパラメータを14に設定したということは、過去14日間の値動きを考慮してRSIを計算するということになります。

私が2本RSIを使うとき、このパラメータを「13」と「42」に設定します。

13と42はそれぞれ、短期のRSIと長期のRSIと考えてください。

たいていのテクニカル分析で共通ですが、パラメータを短く設定すると値動きに対して反応が敏感になる代わりに、ダマシも増えます。

ダマシとは、シグナルが出たのに値動きはその通りに動かなかったということです。

シグナルに騙されたということですね。

一方、パラメータを長めに設定すると、ダマシは減る代わりにシグナルが出にくくなります。

短期と長期、それぞれのRSIを見ると、長期のRSIは50近辺でほとんどブレることなく推移していますが、短期のRSIは30を割ったり70を超えたりと激しく上下に動いています。

このとき、私が見るのは2本のRSIの距離です。

強いトレンドが出ているときは、長期のRSIは相変わらず50近辺をうろうろしますが、短期のRSIはグッと傾きを増しながら上下どちらかへと動いていきます。

2本の線の距離が非常にひらいてくるのです。

乖離です。

2本のRSIの乖離幅が極端に広がってくると、「そろそろ縮小に転じるかな」と判断することができます。

短期RSIが長期のRSIより下側にあり乖離幅が極端に開いたときは、買いで入るチャンス。

短期RSIが長期のRSIより上にあって乖離幅が広がったときは売りで入るチャンス。

「どのくらい幅が開いたらという目安はありますか?」と聞かれることもあります。

およそ20ポイントを目安にはしていますが、厳密な基準はありません。

過去のチャートを見て、研究していただければと思います。

ヒントとしては、短期のRSIがどの水準にあるかというのが、目安になるかと思います。

乖離幅が広がっていても、短期RSIが40〜50にあれば、「売られすぎ」とは判断しがたいですから、もう少し様子を見た方がよいでしょう。

私なら短期のRSIが30を割るまで待つでしょう。

レンジ相場からトレンドが出た直後など、乖離幅が広がり切ったように見えて、さらに広がっていくといったこともあります。

RSIのクロスにも注目

RSIを見るとき、私が乖離幅以外にもうひとつ注目していることがあります。

2本のRSIのクロスです。

テクニカル分析でクロスというと2種類あります。

ゴールデンクロスとデッドクロスです。

通常だと、移動平均線でクロスを見ている人が多いようです。

短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上へと突き抜けたらゴールデンクロス、反対に上から下へと突き抜けたらデッドクロスです。

このあたりは言葉で聞くよりも図で見ていただいた方の理解が早いでしょう。

ゴールデンクロスはその後の相場の上昇を、デッドクロスは相場の下降を予言するものとして解釈されています。

このゴールデンクロスとデッドクロスを2本のRSIで探すのです。

上昇トレンドだったのにデッドクロスが出たならば、それで一幕終了かもしれませんし、下落トレンドでゴールデンクロスが出ればそこでいったんトレンドが一息つくのかもしれません。

乖離幅が広がってきたのでエントリー、RSIがクロスしたので手仕舞いといった使い方もよいかと思います。

注意したいのは、レンジのときです。

値動きが上下一定の幅で上がったり下がったりしているような時は、クロスのサインが出やすいので気をつけてください。

ダマシである可能性が高いです。


レンジのときはレンジに強いテクニカル分析というのがあるので、相場の状況に合わせて、道具を使い分けてください。

RSIの実践的な使い方

もうひとつ、実際のチャートで私の見方を補足しておきましょう。

やはり2008年秋のリーマンショック時のものです。

豪ドル/円はこのとき久しぶりに80円台を割り70円台へ突っ込んでいきました。

スワップ金利狙いの人の中には、安値更新と見ると、押し目買いのチャンスだと買ってしまう人が多いようですが、底を打ったのか確認できるまでは、手を出すのは危険です。

このときのRSIを確認してみましょう。

9月に入ると短期のRSI(13日)だけでなく長期のRSI(42日)まで、30以下の「売られすぎ」のゾーンヘ入ってきました。

RSIのセオリーに従えば、売られすぎなので買いのシグナルということになります。

ところが、その後もずっと相場は下げすぎでしたから、やはり教科書に従ったRSIの使い方はリスクが高いものだということがわかります。

RSIの長期線が底から脱し切れていないので、私ならこういうときは視野を広げて週足を確認してみます。

そうすると、短期のRSIはかなり下まできていますが、長期はまだ半ば付近をうろうろしています。

しかも、週足で見ると短期と長期のRSIがかなり乖離してきています。

ただ、傾きを見るとまだ乖離幅は広がりそうですから、私なら様子見と判断するでしょう。

もし、買いで入るなら1万円、2万円の利益がのったらすぐに利食いといった短期のトレードにとどめておくでしょう。

もうひとつの見方として、ローソク足の形での判断もあります。

日足で見ると、ちょうど三段下げを形成しつつあり、三番目の下げが終わるかどうかというところですから、しっかり底固めしたら買いと考えることもできます。

一方で、視野を広げて、豪ドル/米ドルの月足チャートに、トレンドラインをひいてみると、かなり様相が違います。

21世紀にわたって維持してきたトレンドラインを下にブレイクしてしまっているのです。

こちらを重視するのであれば、「長期で買いなんてとんでもない。戻り売りだ」という結論になります。


ダイバージェンスを使わないのはもったいない

RSIの使い方に、もうひとつ非常に大切なシグナルがあります。

ダイバージェンス、あるいは逆行現象と呼ばれるものです。

耳にされたことのない人が多いのではないでしょうか。

日本ではまだ、見ている人は少ないようですが、非常に有効なシグナルです。

どういったものか、少し詳しく説明していきましょう。

チャートにRSIを表示させていただくとおわかりかと思いますが、レートが上がっているときは、RSIも右上がりに上がっていく傾向があります。

X日のレートがY日に更新されれば、RSIもX日よりY日のほうが上にある、というのが通常の動き方です。

ところが、まれにこの動きが逆転することがあります。

X日の高値をY日に更新したのに、RSIはX日のほうが上にあり更新できなかったというケースです。

これが逆行現象で、レートとRSIが逆に行くという現象です。

これはトレンドの終焉を意味するシグナルとされています。

高値を更新したのにRSIは下に行ってしまった場合なら、その先で下がりますよというシグナルです

具体的なチャートで見てみましょう

2008年9月、リーマンショック前後のチャートです。

次の2つのポイントで逆行現象が起きています。

* 9月11日安値147円51銭 RSI=7.15

* 9月16日安値147円00銭 RSI=20.26

安値は切り下がっているのに、RSIは上向いているので、典型的なダイバージェンスです。

この先は上がりますよというシグナルを発しています。

チャートを見ても、ダイバージェンスの出た直後に上に行っているのがわかります。

ダイバージェンスは慣れないうちは、見つけにくいかもしれませんが、意識していると目につくようになってくると思います。

出所:FXの奥義 池辺雪子著 2008-11-10扶桑社刊


 





フィボナッチ数列 - 黄金比
リトレースメント


リトレースメント(戻し)とは何だろうか - マーケットの仮の着地点探し

2分の1リトレースメント

リトレースメントのもともとの意味は、道などを引き返すこと・戻ることです。

相場では、たとえば、上がっていたものが下落した後、再び上がっていって下落幅の半分を回復することを2分の1リトレースメントと呼びます。

日本語では2分の1戻し(半値戻し)と呼んでいます。

逆に、下がっていたものが反転上昇した後、再び下がって上昇幅の半分を失うことも2分のーリトレースメントといいます。

こちらは、日本語では2分の1押し(半値押し)といいます。

テクニカル分析を信じない市場参加者も半値戻しや半値押しの価格を一つの目安と考えています。

これもテクニカル分析の一つなのですが、そうとは知らずに使っている向きもあります。

そのくらい自然な発想だと思われます。

リトレースメントが起こる理由では、

なぜそうなるのか説明してほしいと、質問が出てきそうです。

もっともな疑問です。

次のような説明をする人が多いようです。

皆がそう考えているから、そうなるのだ、と。

少し難しく表現すれば、チャートの自己実現性と呼ばれるものです。

市場参加者がチャートを読んで行動し、したがって、チャートの示唆している状況や目標を示現(これはもともと仏教の言葉で、仏・菩薩がこの世に現れることが転じて、相場では高値・安値を実現するときに使います)するのだという考えです。

ただ、市場参加者が必ずしも同じチャートを見てまったく同じことを考えているというのも妙なものです。

それに、チャートにもさまざまあって、誰もが知っている方法ばかりとは限りません。

同じ結論にならないことだってしばしばあります。

ここで一つの仮説を立ててみましょう。

まず、相場に一定期間の落ち着きどころがあるとします。

これは厳密な理論値という意味ではなく、単にその期間の売買の均衡点(水準)と考えてください。

その地点をオーバーシュートした相場は、再び均衡点に戻ろうとして下落を始めます。

ただし、振り子と同じで、上にオーバーシユートした相場は、今度は下にオーバーシュートする結果となりやすくなります。

その後、均衡点に戻ろうとして再び上昇を始めます。

そして、均衡点に戻れば、結果として半値戻しを行っているということになるのです。

もちろん、そうして動いている間に均衡点が変化していることもあるでしょうから、多少のズレは生じることになります。

これはあくまで仮説です。

すべてうまく説明できるとは私自身も考えていません。

ただ、3分の2戻しなども振り子と同じで、戻る際に均衡点をオーバーシユートしたものの、もとの高値には及ばなかったと考えられるのです。

相場の均衡水準とリトレースメントの関係

リトレースメントは相場の均衡水準からのオーバーシュートと考えられる。

* 相場に一定期間の落ち着きどころ均衡水準があると仮定する

* 均衡水準をオーバーシュートした相場は、均衡水準に戻ろうと下落を始める

* 上にオーバーシュートした相場は、下にオーバーシュートしやすい

* その後、均衡水準に戻ろうとして再び上昇する

* 次第に均衡水準に近づいていく過程でリトレースメントが形成される

リトレースメントと三角保合さらには、いわゆる三角保合なども均衡水準がほぼ同じレベルを保っている期間が長い、つまり、相場が落ち着いて保ち合っているときに起こったリトレースメントの痕跡と考えることができます。

たとえば、3分の2戻しの後に3分の2押しがあって、その後でまた3分の2を戻して…というふうに、やがて振り子が止まるかのように相場が均衡を探っていく過程で、三角保合が形成されると考えることもできると思います。

三角保合のブレイク(三角保合の上辺か下辺のいずれかを破ること。

相場は破れた方向に動くとされます)というのも、保ち合っている最中に均衡水準が大きく変化したとも考えられるのです。

三角保合のブレイクの騙しに、三角保合の上辺か下辺のいずれかを破った後、相場が破れた方向に走らないで、より大きな三角保合を形成し始めるというのがあります。

これは、均衡水準が変化しないうちに時間がきて、仕切り直しとなったものでしょう。

ここで、どのようにリトレースメントが起こっているかを具体的に見てみましょう。

ドル円相場で、短期的な話ではなく長期的にはどうだったかを簡単に眺めてみます。

1871年に円が誕生し、このときからドル円相場が始まったと考えられますが、最初のレートはほぼ1ドル1円でした。

戦後1ドル360円に固定されたドル円相場でしたが、1971年(円の誕生から奇しくも100年後)のニクソン・ショックで事実上固定相場でなくなります。

78年の力―ター・ショックのころの最安値は175円50銭、これは瞬間のことで、ほぼ180円で反転したと考えてよいでしょう。

その後270円。

85年のプラザ合意時はほぼ240円でした。

そこから120円。

その後、160円まで戻って、その後80円。

つまり、半値押し(180円。1円と360円の2分の1)の後、半値戻し(270円。360円と180円の2分の1)。

また、プラザ合意の後も、半値になり(120円。1円と240円の2分の1、1円と360円の3分の1)、また3分の1戻って(160円。240円と120円の3分の1)、半値になった(80円。1円と160円の2分の1)ということです。

その後は、これまでのところ、それらを更新するような動きにはなっていません。

いわば大きな保合が続いています。

正確には到達しないことや行き過ぎることもありますが、リトレースメントは、目途として使えると思います。

リトレースメントの比率 - 黄金分割

比率は1対1.618


これまでリトレースメントの話をしてきましたが、実は、リトレースメントというのはその比率こそがポイントなのです。

たとえば、100分の1戻しや1万分の何押しなどといい始めれば、いくらでも数字は作り出せるでしょう。

「うーむ、やっぱり1000分の434で調整は終わったか」などと咳いている人がいたら、ちょっと妙なものです。

相場の動きにはやはり規則性があって、それを調べて利用するのがテクニカル分析です。

テクニカル・アナリストはリトレースメントの比率に黄金分割を用います。

広辞苑には黄金分割は「一つの線分を外中比に分かつこと。すなわち、小部分の大部分に対する比を大部分の全部に対する比に等しくなるように分割すること。

その比を数字化すれば、ほぼ1対1.618。

長方形は縦と横の関係がこの比になるとき比較的美感を与えるというとあります。

一度読んだだけではわからないかもしれませんが、図を見ていただくとわかりやすいでしょう。

小さい部分と大きい部分との比率が、大きい部分と全体との比率に等しくなるようになっています。

これが実は、ほぼ1対1.618(0.618対1)なのです。

この黄金分割をテクニカル・アナリストは、リトレースメントに用いるのです。

黄金分割

小部分の大部分に対する比を大部分の全部に対する比に等しくすること

その比率が、1対1.618(0.618対1)である

テクニカル・アナリストは、この黄金分割をリトレースメントの目標値を計算する際などに使用する

フィボナッチ数列の不思議 - 黄金分割のもと

エリオット波動もこの比率を駆使

「ちょっと待った」という声があがりそうです。

2分の1や3分の2リトレースメントの話をしていたのに、突然話題が変わったではないか、と。

ここで、黄金分割と2分の1や3分の2との関係を述べることが必要になります。

フィボナッチ数列と呼ばれる一連の数字があります。

フィボナッチは13世紀のイタリアの数学者で、エジプトに行って加算数列を持ち帰ったとされています。

それは、1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、…というもので、次のような特徴があります。

?連続する二つの数字の和はその上位の数となる

?どの数字もその下位の数字に対して1.618倍の割合となる

?どの数字もその上位の数に対して0.618倍となる

この他にも、さまざまな興味深い特徴があるのですが、ここでは割愛します。

この数列の数を一つ手前の下位の数字で割った比率(ほぼ1.618)はファイ(φ)と呼ばれるのですが、そう、それが黄金分割の比率なのです。

ピラミッド、パルテノン神殿、音階、星雲の形状(渦巻き)、ヒマワリの種が花の上で作る曲線配置……。

自然界にもこの数列に従っているものは多く、ダ・ビンチはじめ多くの芸術家もこの比率を使っています。

さて、相場の上昇後、調整局面入りしたときにどこまで下がるか。

それを考えるときに、フィボナッチ数列の数字を使うのです。

2分の1押し、3分の2戻しなどすべてフィボナッチ数列の数字を用いた分数です。

もっと上位のフィボナッチ数列の数字を用いて比率を計算しますと、たとえば、89分の55だとどうでしょう。

ほぼ0.618(1.618の逆数)になります。

もっと上位のフィボナッチ数列の数字どうしの比率はさらに0.618に近づきます。

これが2分の1や3分の2と黄金分割の関係です。

つまり、2分の1や3分の2はフィボナッチ数列の比率の特殊例ということです。

一般的にはあまり使わないのかもしれませんが、テクニカル・アナリストは2分の1よりもむしろ0.618などを多用します。

有名なエリオット波動論も、このフィボナッチ数列の比率を駆使したものです。

フィボナッチ数列の作り方

* まず、1、1、と書く(1を2個)

* 次に、前の2個の数字を足した数字を書く(この場合、1+1で2となる)

* 以下、同じ作業を続ける(1+2=3、2+3=5、3+5=8、5+8=13、8+13=21…)

(出所:決定版 株価・為替が読めるチャート分析 林康文著 日経ビジネス文庫刊)

 

株価・為替が読めるチャート分析 決定版 (日経ビジネス人文庫 ブルー は 10-1)



 


黄金比を投資に使う

RSIと並んで私の主力武器となっているのが、フィボナッチ・リトレースメントです。

第四章でも触れましたが、「フィボナッチ数」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。

数年前にベストセラーになり映画化もされた『ダ・ヴインチ・コード』にも使われていました。

イタリアの数学者が発見した、次のような数字です。

0、1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233、377、610・・・

切りがないので、この辺にしておきましょう。

この数字の列には一定の法則性があるのですが、おわかりでしょうか?

0以降直前の数字を足すと、その次の数字になるのです。

1と2を足すと3に、3と5を足すと8に、233と377を足すと610にといった具合です。

もうひとつの特色は2以降の連続する2つの数字の比率が、だんだんと一定の比率に収縮していくということです。

2と3なら1.5、3と5なら1.66、5と8なら1.6、そして377と610なら1.618037……。

表をご覧いただくと、だんだんと1.618という数字へと近づいていくことが、おわかりになるでしょう。

1.618はいわゆる「黄金比」と呼ばれる、もっとも美しく、落ち着くとされる比率です。

ピラミッドからレオナルド・ダ・ヴィンチの描いた『モナ・リザ』、ギリシアのパルテノン神殿に『ミロのヴィーナス』、身近なところでは新書や名刺といった人の創作物に1.618の比率が使われています。

オウム貝のらせん模様や植物の花弁、それにフィボナッチがフィボナッチ数を発見するきっかけとなったウサギの出生数など自然のなかのさまざまな場所にも黄金比があらわれます。

天底からの値動きをフィボナッチで見る

黄金比を相場に応用したのがフィボナッチ.リトレースメントです。

過去のチャートの天底を決めて、その間の0、0.382、0.5、0.618といったポイントを計算するのです。

0.382は初めて見る数字ですが、1から0.618を引いただけです。

また、0.5は「半値戻し」といって、天底の値動きから半分だけ戻した注目されることの多いポイントです。

私はこれらのポイントを自分で計算していますが、最近のチャートソフトではフィボナッチ.リトレースメントの機能が付いたものが多いようです天底を指定してやると、自動的に先ほどのポイントがいくらなのか表示されます。

本当に便利な世の中になったものですね。

このフィボナッチ.リトレースメントですが、黄金比やフィボナッチ数といわれると、眉唾ものの話のようにも聞こえてきますが、意外に多くの投資家が注目しており、実際に0.618のポイントで相場が転換するといったことも頻繁に目にします。

米ドル/円の2007年の高値は124円でした。

それ以降の安値は3月の95.75円です。

ここからどのくらい戻すでしょうか。

8月には110円台まで戻しましたが、相場は95円から110円へと一気に戻すわけではありません。

95.75円をゼロ%とすれば、124円との幅約30円の38.2%の幅を95.75円に足した106円台半ばまで戻して、そこを挟んだもみ合いがあって、それか半値戻しである110円台まで戻すのではないか。

そこからさらに、61.8%までの戻りである113円台前半がポイントになり、それも突破するようなら「全値戻し」で昨年高値の124円を付けることもあるのでは。

フィボナッチ.リトレースメントを使うと、そういったストーリーを組み立てることができます。

ですから、買おうと思ったとき、38.2%よりも上にいるなら、「38.2%のところまで押し目をつくりそうだから、もう少し下がるまで待ってみようかしら」と考えることもできますし、「50%まで行ったら利食いで売ろうかしら」といったことも考えられます。

(出所:FXの奥義 池辺雪子著 2008年11月扶桑社刊)



米ドル/円相場はこうなる

2017年の6月に1ドル92円50銭から95円

トランプの大統領就任が決まってから、米ドルは対円で大きく上昇した。

2016年11月の大統領選挙でトランプの勝利が確定した時点で、1ドル101円まで米ドルは売られたが、2016年12月半ばに1ドル118円台まで米ドルは上昇した。

その後、2016年末にかけてやや米ドルは売られ、年が明けて1月3日、4日には一時1ドル118円台まで戻したものの、翌1月5日には1ドル115円台まで米ドルは売られた。

これから先、米ドルの上昇余地はどのくらいあるのかと考えている投資家もいると思うが、残念ながら米ドルの上昇余地はない。

1ドル118円台に戻しただけでも上出来だ。

一部では1ドル121円から122円くらいまでは戻るのではないか、という期待の声も聞こえてくるが、戻らないのである。

黄金分割を用いて、その根拠について説明しよう。

まず米ドル/円の四半期足を見てもらいたい(図表3-1)。

一番上の実線は、1ドル360円だった1971年のところから下に向けて引いた18度線である。

その線が、1971年から161四半期に該当する2011年10月のところで、1ドル230円にあたるのがおわかりいただけると思う。

次に、1ドル230円のところから、縦にペンタゴンの対角線を引く。

ペンタゴンの対角線の長さは、黄金分割の61.8になるが、このチャートでは目盛りが2.5倍で表示しているので、61.8を62にまるめて、それを2.5倍すると、155になる。

そこで、230円から155円を引くと、75円。

したがって、2011年の第4四半期に付けた1ドル75円53銭は、見事に米ドルの底値であることがわかる。

そして、そこから54度線に沿って、米ドルは上昇している。

四半期足で見ると、125円86銭で天井を付けているが、これも日柄的に意味がある。

これは、2011年の第4四半期(10月)から、さらに14四半期目にあたるところだ。

360円から伸ばしてきた18度線は、このとき、1ドル220円のところにある。

そこで、ペンタゴンの一辺の長さである38を2.5倍にすると、95という高さが求められる。

220円から95円を引いたところが125円だ。

つまり、直近に付けた天井の近似値だ。

これを見ると、黄金分割がこれほどまでに美しく相場を支配するものなのかと、思わず感嘆してしまう。

筆者は以前から、黄金分割以外のことで相場が決まることはない、と考えているが、改めてその気持ちを強く持つことになりそうだ。

そのくらい、このチャートは黄金分割の法則に、縞麗なまでに則っている。

では、直近はどうなのかということだが、2011年第4四半期(10月)の1ドル75円53銭から、上に向かう18度線(A)を引き、さらにペンタゴンの対角線に相当する18度線(B)を引くと、レートがBにぶつかった125円86銭を天井にして、今度はAに向かって、米ドルは下げてきていたものが、トランプ・ラリーで、120円に向かって再び上昇してきたという動きとなっている。

問題は、2016年に付けた米ドルの安値、1ドル99円で米ドルの下げは終わったのかということだが、それはない。

AとBによって、ここに黄金分割三角形が形成されているが、一度Bを付けた相場は、次にAまでいかないと、一相場が終わらないのである。

つまり、2016年に1ドル99円を付けた後、再び上昇してきたのは、あくまでも下げ局面における一時的な反騰に過ぎないのだ。

したがって、このチャートでいえば、2017年の早い時期にかけて、米ドルは再び売り込まれていくことになる。

その時期と水準としては、2017年の6月前後に向けて、1ドル92円50銭から95円ぐらいまで米ドルは売られるはずだ。

ちなみに日柄をいうと、1ドル75円53銭の底値を打った2011年第4四半期(10月)から、1ドル125円86銭まで米ドル高が進み、天井を付けたところまでが14四半期。

14四半期の次の大きな日柄は22.5四半期になるので、それが2017年の第2四半期にぶつかる。

つまり、2017年の4〜6月にかけて、1ドル92円50銭から95円まで円高が進むと、日柄も値ごろも揃うことになる。

出所:黄金の相場予測2017  ヘリコプターマネー 若林栄四著 日本実業出版社2017-3-10













75日移動平均線
株 価 の 恋 人


株価にとって移動平均線は恋人のようなもの

移動平均線は多くの利益を私たちにもたらしてくれます。

そうなると常にそばにいてほしい、いつも一緒にいたいと思う恋人のようなものですね。

早速、最愛の恋人の姿を拝見しましょう。

●75日線に離れては戻る、を繰り返す株価

図をご覧ください。

この図が恋人である75日移動平均線と株価の相関関係です。

株価は75日移動平均線を中心に図のように動くのです。

株価にとって移動平均線は恋人のようなもの

株価は75日移動平均線から少し離れると淋しくなってまた75日移動平均線まで戻ってくる。

そしてまた離れていく。

これを繰り返していくのです。

夫婦ですと一年中同じ屋根の下で暮らしていますが、恋人同士は一緒にいる時間もあればしばらく会わずに離れている時間もあります。

そして離れていると淋しくなって相手の元に戻ってくるのです。

株価と75日移動平均線は本当に恋人のような関係だと思いませんか?

では図の説明に入りましょう。

どの銘柄でも株価は原則図のような動きになります。

上昇トレンドのモデルは、今まで下降トレンドであった株価がAで底を打ち、Bで75目移動平均線まで上昇します。

そしてCまで反落し、その後75日移動平均線を上回ってDまで上昇します。

この時点で今までの下降トレンドは終了し上昇トレンドに転換します。

Dまでの上昇をした後は75日移動平均線まで押し目を形成しEをつけます。

その後はF-G-Hという動きになります。

下降トレンドのモデルは、上昇トレンドであった株価がHで天井をつけた後、75日移動平均線まで下落しIをつけます。

その後Jまで戻し75日移動平均線を下回ってKをつけます。

この時点で上昇トレンドは下降トレンドヘと転換します。

Kまで下げた株価は75日移動平均線まで戻しLとなります。

その後はM-N-Aという動きになり再び大底となります。

トレードの基本は

*  株価 が75日移動平均線より上に位置しているときは買いだけを考える

* 株価が75日移動平均線より下に位置しているときは売りだけを考えるです。

では、買いを考えるときというのはどのようなときなのでしょうか。

●上昇トレンドに転換し、初めての下落は75日線まで押す

トレンドのビッグウェーブを見分ける術で述べたとおりト昇トレンドの場合のみ買いを考えるのでしたね。

図で見るとA-Cで安値を切り上げB-Dで高他を切り上げていますので、上昇トレンドになるのはDからHまでです。

DからHにかけて75日移動平均線とラブラブな状態にあるのはEですね(ラブラブなんてもう死語ですね)。

Bからの押し目であるCは、BからAまでの株価のどこで下げ止まるのかはわかりません。

Bからいくら下がったら買えばいいのかは非常にわかりづらいのです。

そしてCは75日移動平均線よりも下に位置していますので買う条件を満たしていません。

次に押し目であるGは、75日移動平均線よりも.Lに位置していますので買いの条件は満たしていますが、75日移動平均線の上側のどこで下げ止まるのかはわかりません。

Fからいくら下がったら買えばいいのかは非常にわかりづらいのです。

75日移動平均線の価格で待っていても75日移動平均線までは下がってこないことが多いのです。

このことからCでは買ってはいけないということがわかりGで買うことは上級者でなければ無理であるということになります。

これがわかるようになるには非常に多くの鍛錬が必要になりますのでこの本では説明をしません。

本書では一番簡単で確実な買いの方法を覚えていただきたいと思います。

ズバリ上昇トレンドの場合は、株価が75日移動平均線まで押したら買う、つまり.ト昇トレンドに転換した初めての下落は75日移動平均線まで押しますので、このEまで株価が下落したら買えばいいのです。

このモデル図は株価の基本的な動きを表しています。

図では大底のAからHまで記入してありますが、実際の株価の動きはHまで上昇せずにDで天井をつけ下落することもあれば、Fで天井をつけ下落し、下降トレンドに転換することもあります。

Dで天井をつけた場合には同じ株価にDとJが記入されることになります。

Fで天井をつけた場合には同じ株価にFとJが記入されることになります。

●下降トレンドの場合は、75日線まで戻したら売り

次に、売りを考えるときというのはどのようなときなのでしょうか。

トレンドのビッグウェーブを見分ける術で述べたとおり下降トレンドの場合のみ売りを考えるのでしたね。

図で見るとH-Jで高値を切り下げI-Kで安値を切り下げていますので下降トレンドになるのはKから次の大底のAまでです。

KからAにかけて75日移動平均線と一番イチャイチャしているのはLですね。

イチャイチャも死語か(笑)。

Iからの戻しであるJはIからHまでの株価のどこまで上昇するのかはわかりません。

Iからいくら上がったら売ればいいのかは非常にわかりづらいのです。

そしてJは75日移動平均線よりも上に位置していますので売る条件を満たしていません。

次に戻しであるNは75日移動平均線よりも下に{立置していますので売りの)条件は満たしていますが、75日移動平均線の下側のどこまで戻すのかはわかりません。

Mからいくら上がったら売ればいいのかは非常にわかりづらいのです。

75日移動平均線の価格で待っていても75日移動平均線までは上がってこないことが多いのです。

このことからJでは売ってはいけないということがわかりNで売ることは上級者でなければ無理であるということがわかります。

Nでの売り場がわかるようになるには非常に多くの鍛錬が必要になります。

本書では一番簡単で確実な売りの方法を覚えていただきたいと思います。

ズバリ下降トレンドの場合は、株価が75日移動平均線まで戻したら売る。

つまり下降トレンドに転換した初めての上昇は75日移動平均線まで戻しますので、このLまで株価が上昇したら空売りすればいいのです。

先ほども述べたようにこのモデル図は株価の基本的な動きを表しています。

図では天井のHから大底のAまで記入してありますが、実際の株価の動きはAまで下落せずにKで大底をつけ上昇することもあれば、Mで大底をつけ上昇し、上昇トレンドに転換することもあります。

Kで大底をつけた場合は同じ株価にKとAが記入されます。

Mで大底をつけた場合には同じ株価にMとAが記入されます。

またモデル図ではBの位置で株価が75日移動平均線とタッチしていますが、実際の株価の動きは完全に75日移動平均線にタッチしたところで上昇が終わり下落するのではなく75日移動平均線のちょっと下で反落することもあれば、75日移動平均線を超えてから上げ止まり下落することもあります。

Eも同じように75日移動平均線まできっちりと押し目をつける場合もありますが、75日移動平均線よりもちょっと上で押し目が終了することもありますし、75日移動平均線を下回ったったところで押し目が終了することもあります。

Gに関してもモデル図では75日移動平均線より上にカイリして押し目が終了していますが、75日移動平均線まで押すこともあります。

下落トレンドについても同じことが言えるので、Iは75日移動平均線にタッチしないで下落が終了することもあれば75日移動平均線を下回って下落が終了となることもあります。ここらへんが実際の株価をこのモデル図に当てはめるときに迷ってしまう理由になると思います。

多くのチャートにモデル図を当てはめる練習をすると簡単に記号を記入できるようになりますのでできるだけ多くのチャートをご覧ください。


出所:株・日経225先物勝利のチャート方程式 ついてる仙人著2013-04-02初版第5刷 アールズ出版刊




     




ストキャスティクス
株価の高値と安値のレンジの位置


「%D」が、「スロー%D」を安値圏で上抜けたら買い!

基本的には、指標が30%ないし20%以下になったら買いサインと考えます。

さらに2本の線を組み合わせて、低い水準(30%以下くらい)で、動きの速い線が遅い線を上抜いたら、より重要な「買い」サインと考えられるのです。

ストキャスティクスはRSIに似た指標ですが、一定の期間の高値と安値のレンジのどこに位置するか、ということを%で示した指標です。

たとえば、5日間の高値が1,100円で安値が1,000円の場合、100円の値幅(レンジ)がありますが、現在の株価がこの100円というレンジのどこに位置するかを「%」で示すのです。

現在の株価が1,100円なら、このレンジの一番上にいることになりますので、5日間という期間のストキャスティクスは100%となります。

1,000円ならこのレンジの一番下になりますので0%。

1,050円ならこのレンジの真ん中になりますので50%、というような計算になります。

この単純なストキャスティクスを「%K」といいます。

しかし、この単純な%Kでは動きがあまりにも忙しいのです。

もう少しゆったり動くように加工した「スロー%K」「%D」「スロー%D」という指標をよく使います。

この4つの指標の中の2つを組み合わせて表示します。

ストキャスティクスは25日間という期間の「%D」と、その9日移動平均の「スロー%D」、一般的にこの指標の組み合わせは、大型優良株のゆったりした動きを捉えるにはぼどよい組み合わせです。

ストキャスティクスの見方としては、30%近くまで下がってきたら「買い」、70%近くまで上がってきたら「売り」というのが最も基本的な見方になります。

しかし、単純に指標の水準だけを見て判断すると、売買サインが早すぎてしまうことがよくあるので、もう一工夫します。

2本の線の位置関係を売買サインに使うのです。

具体的には、値動きの早い線(この場合は%D)が値動きの遅い線(この場合はスロー%D)を低い水準で上抜いたら、こうした動きをゴールデンクロスといい「買い」シグナルと判断します。

逆に、高い水準で動きの早い線が動きの遅い線を下抜いたら、こうした動きをデッドクロスといい、それを「売り」シグナルと判断します。

このように、値動きの早い線と遅い線を組み合わせ、ゴールデンクロスやデッドクロスを売買サインにするというのは、ダイバージェンスやコンバージェンスと並んで、テクニカル指標を使う際の基本的なテクニックの一つです。

 


「ストキャスティクス」は、アメリカのジョージ・レーン氏によって開発された指標です。

オシレータ系の指標に分類されるもので、直近の終値が、過去のある一定期間の価格レンジから見て、相対的にどの位置にあるのかを示すものです。

つまり、ある期間の株価の変動幅と直近の終値との関係から、相対的な強弱、勢いといった位置関係を把握する指標です。

%K、%D、SD(%D Slowing)という3つの数値を算出し、3本のラインのうち2本を組み合わせて、売買ポイントを判断します。

主に使われているものとして、%Kと%Dの組み合わせである「ファスト・ストキャスティクス」と、%DとSDの組み合わせである「スロー・ストキャスティクス」があります。

%K、%D、SDは、いずれも0%〜100%の問で行き来しており、相場と同じ方向にラインを描いていきます。

一般的には、20%〜30%以下になると売られすぎ、70%〜80%以上になると買われすぎ、というような見方をします。

%Kと%Dの位置関係により判断する方法前述のとおり、ストキャスティクスは、「ファスト・ストキャスティクス」と「スロー・ストキャスティクス」の2種類があります。

ファスト・ストキャスティクスは、%Kと%Dを使い、2本のラインがクロスしたところを売買ポイントとするものです。

%Kが%Dを下から上に抜いたときが「買い」、上から下に抜いたときが「売り」というような使い方です。

しかし、%Kは株価に非常に敏感に反応するので、%Dと頻繁に交差してしまい、ダマシの売買サインが多くなります。

ファスト・ストキャスティクスを使っての判断は、初心者にはかなり難しいでしょう。

%DとSDの位置関係により判断する方法スロー・ストキャスティクスは、%DとSDの2本のラインを使って、クロスしたところを売買ポイントとするものです。

これもファスト・ストキャスティクスと同じように、%DがSDを下から上に抜いたときが「買い」、上から下に抜いたときが「売り」というような使い方をします。

%Dは計算上、%Kよりは感度がゆるく、パラメータの設定にもよりますが、比較的なめらかな曲線を描きます。

また、SDは%Dの移動平均ですから、%Dよりもさらに遅い反応をします。

したがって、ファスト・ストキャスティクスに比べるとダマシのサインが少ないので・売買ポイントがわかりやすく、一般的にもよく使われているようです。

しかし、ファスト・ストキャスティクスほどではありませんが、相場の状況によっては、短期間に%DとSD)が何度も交差するという状況が発生することもあるので、そのような局面での対処の仕方をあらかじめ考えておく必要があります。

各数値の水準から判断する方法

また、20%〜30%以下を安値圏、70%〜80%以上を高値圏と見て、そのゾーンに入ったところを売買ボイントすることもできますが、このような使い方をする場合は、損切りラインを決めておかなければ危険です。

なぜなら、そのゾーンに入ったとしても、そこからすぐに反転するとは限らず、そのままの流れを継続して、しばらく安値-高値のゾーンに入ったままということもよくあるからです。

したがって、安値圏、高値圏で2本のラインがクロスしたところを売買ポイントとする、もしくは一度目安となる水準に達した後に反転し、その水準を抜けたときをサインと見るようにするなど、使い方を工夫する必要があります。

(出所:高田式日経225先物システムトレード連勝法 高田智也著 日本実業出版社刊)


 



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